高松商の優勝で終わった昨年の明治神宮大会と、履正社が初優勝を遂げた今年の明治神宮大会。昨年と今年の違いとして、昨年は投手の人材が集中し、今年は野手の人材が集中していることが挙げられる。昨年は高山 優希(大阪桐蔭・関連記事)、髙田 萌生(創志学園・関連記事)、山﨑 颯一郎(敦賀気比)とドラフト指名された投手が3人もいた投手豊作の大会だったのに対し、今年は清宮 幸太郎(早稲田実業)を筆頭に全ポジションに好選手が集まる野手豊作の大会となった。
今年は出場10チームの打力が高く、決勝戦でも11対6というスコアになったように、この時期でもすでに各打者のレベルは高かった。その中でも目立った選手を紹介していきたい。
東の清宮、西の安田は期待通りの活躍!

安田 尚憲(履正社)
まず大会の目玉である清宮 幸太郎(早稲田実業・関連記事)。都大会決勝戦では5三振に終わったが、それでも今大会は7打数5安打と常に安打を記録しているところはやはりさすが。そして7四死球を記録しており、どれだけ警戒されているのかが分かる数字だ。
清宮は、「神宮大会では、なかなか対戦できないレベルの高い投手と対戦できて、とても価値のある大会でした」と語っており、この経験が清宮をさらに大きくすることだろう。選抜では手が付けられない打者となっているのかもしれない。一塁手としての守備力は非常に高く、そして走塁技術も以前よりも格段に高まった。長打力、走塁技術、高い守備力だけではなく、チームメイトをしっかりとまとめたキャプテンシーの高さも高く評価されており、来年も高校野球の顔として活躍を見せ続けてほしい。
そして清宮と並ぶ強打者として紹介された安田 尚憲(履正社・関連記事)は、なかなか安田らしい豪快な一発が出ず、苦しんでいた。安田の課題は芯でボールを捉える能力。打ち損じする打球が多く、もったいない当たりが多かった。安田は「なぜ打てていないかは自分ではわかっています。歯がゆい気持ちです」と語っていた。しかし決勝戦では特大3ラン。打った瞬間、それと分かる豪快な当たりだった。守備を見ると肩は強く、送球も安定している。打撃は清宮のような器用さはないが、飛距離は圧巻だ。ゴツゴツとしていて、打った時は凄いというのは何か松井 秀喜氏を彷彿とさせるものがある選手ではないだろうか。
この2人が来年、高校野球を盛り上げるパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。