<関西学生野球連盟 令和7年度春季リーグ戦 第4節1回戦:>◇5日◇ほっともっとフィールド神戸

 4勝1敗の勝ち点2で並び、優勝争いを繰り広げている近畿大と立命館大が直接対決。1点を追う6回裏に5点を奪って逆転した近畿大が先勝した。

 立命館大の先発はエース左腕の有馬 伽久投手(3年=愛工大名電)。今季は新たにツーシームを覚え、ここまで20回無失点と無双状態を続けている。

「真っすぐは良い感じで走っていました」と自己最速タイの149キロを計測するなど、この日も快調な投球を見せる。それに対して近畿大の光元 一洋監督は「まともにいったら、なかなか打てないピッチャー。5回までに100球を投げさせたかったので、『追い込まれても1打席で何とか5、6球は投げさせよう』と話をしていました」と粘り勝つ作戦を立てていた。

 5回終了時点で92球と惜しくも100には届かなかったが、3点を追う4回裏には2点を返し、攻略の糸口は掴みつつあった。

 すると6回裏、一死満塁のチャンスを作り、1番・谷本 颯太内野手(2年=広陵)が押し出しの四球を選び、同点に追いつく。

 さらに勝ち越しのチャンスで打席に立つのは今秋のドラフト候補である2番二塁の勝田 成内野手(4年=関大北陽)。「フォアボールを出したら1点が入ってしまう場面。ここは真っすぐで勝負しようと思いました」と2ボールから狙い通りに来たストレートを弾き返し、一二塁間を破る2点適時打で勝ち越しに成功した。

 6回途中で120球を要した有馬はここで降板。その後も近畿大は打線がつながり、立命館大を引き離した。

 この日の勝田は5打数3安打2打点の活躍。今季は25打数14安打で打率.560と当たっている。

 青地 斗舞大阪桐蔭-同志社大)が2021年秋にマークした打率.520のリーグ最高打率をここまでは上回っているが、「打率を気にし過ぎると力が入って打てないのが自分の課題でもあったので、一人のピッチャーと勝負することを心がけています」と常に平常心を保って試合に臨んでいる。

注目の好投手相手に大きな勝利を掴んだ近畿大。4季ぶりの優勝に一歩前進した。