<春季高校野球静岡県大会:浜松商5-1静岡>◇26日◇3回戦◇静岡草薙球場
今春のベスト16が出そろった静岡県大会は、この段階で夏のシード校は決まったということになった。この日はベスト8決めの3回戦が行われ、来月中旬に三重県で開催される東海地区大会進出を目指す戦いとなっていく。
草薙球場の第1試合は「静岡ー浜松商」という、昭和時代から県を代表する、甲子園でも実績のある名門校同士の対決となった。この対戦は、古くからの静岡県の高校野球ファンの気持ちを大いに揺さぶる好カードと言ってもいいであろう。
静岡は大正、昭和、平成、令和と4時代すべてで甲子園出場を果たしている、全国でも数少ない名門校だ。春17回、夏は26回の出場回数を誇っており、もちろん県内随一だ。
浜松商は、昨年に創部100年を経て、新たに次の100年を目指して進んでいる。夏は9回、春は7回出場しているが、1978(昭和53)年春には全国制覇も果たしている。
そんな両校の対戦である。どちらも純白の地で静岡は鉄紺の筆記体で‟Shizuoka“、浜松商は‟HAMASHO”と表記されており、これも伝統のユニフォームである。このユニフォームの対戦を見るだけで、ワクワクする人も多いのではないだろうか。
静岡は140キロ以上の速球を誇る背番号10の増田 煌太朗投手(3年)、浜松商は春先の一次予選の時には4番をつけ、二塁手だったという山口 祐誠投手(3年)が背番号1を背負ってのマウンドである。最速は125キロ行くか行かないか。しかしながら、制球力があり上手にコーナーを突いていくタイプで、対照的な両投手の先発だった。
力では静岡が上かと思われていたが、初回に浜松商の1番・山内 瑛太選手(2年)がパチンとはじき返して右前打。これが、後続の打線に勇気を与えた。また、松田投手は少し慎重になりすぎたか、連続四球と死球で押し出し。さらに一死後、浜松商らしいスクイズでこの回2点を挙げる。
3回にも浜松商は2番中山 嵩也選手(2年)の二塁打からバント安打でチャンスを広げ、静岡に守りのミスが続いたということもありさらに3点が入った。
静岡も4回に1点を返したが、山口投手が連打されたのはこの回のみ。6回にはバント失策や四球で一死満塁があったが、その後の上位打線を上手く飛球を打たせるなど、投球術が最後まで崩れなかった。
終わってみたら、静岡の強力打線を7安打1失点に抑えて完投。これには、戸塚和也監督も絶賛していた。「一次予選の上位決定戦で聖隷クリストファーを相手にタイブレークで投げ勝ったんです。それで大いに自信を持ったと思うのですが、今日の好投はさらに自信になったのではないでしょうか」と、山口投手を称えていた。
昨年のベスト16を超えた浜松商だが、戸塚監督は、「このところなかなか上位に残り切れていませんが、かつては全国優勝したこともある伝統校。甲子園出場を目指して戦っていくという気持ちは失ってはいけない」と、選手たちに伝えているという。戸塚監督自身は、池新田から専修大へと進学したが、「こうした伝統校を預からせて戴いて光栄の至りです」と、言う思いである。そして、夏へ向けて、2000年夏以降は甲子園には届いていないが、伝統校の復活への感触を得ているようだ。
静岡の池田新之介監督は、結局もエースナンバーをつけた吉田 遥孔投手(3年)を投げさせられないままの試合となってしまった。実力校でもあり、夏へ向けての再構築が期待される。
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