ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017日本代表選手の中でU-18経験者は?
現在、開催中のENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017。初戦の韓国戦ではサヨナラ勝ちを決め、決勝進出を果たした。稲葉 篤紀新監督の下、次世代のプロ野球を担う若手選手がアジアの頂点をかけて奮闘している。代表初選出の選手が多いが、高校時代に代表経験のある選手もいる。過去を振り返りながら、現在に迫っていきたい。
投手陣は3選手が代表を経験
堀瑞輝(第11回 BFA U-18アジア選手権より)
投手では高校時代に代表経験のある選手が3人いる。
・野田 昇吾(鹿児島実-西濃運輸-埼玉西武)
・堀 瑞輝(広島新庄-北海道日本ハム)
・田口 麗斗(広島新庄-読売ジャイアンツ)
3人ともに世代を代表する左投手であった。まず1人目の野田は2011年に日本で開催された、第9回アジアAAA選手権大会のメンバーに選出。当時は、吉永 健太郎(日大三-早稲田大-JR東日本)・高橋 周平(東海大甲府-中日ドラゴンズ)・畔上 翔(日大三-法政大-Honda鈴鹿)などの豪華メンバーで構成されていた。その中で貴重な左腕として活躍した野田。2試合に登板し、6イニングを失点0、奪三振6という素晴らしい結果を残した。高校卒業後は社会人の西濃運輸に入部し、2015年のドラフトで埼玉西武より3位指名を受けた。
2人目は田口。2013年に台湾で開催された、第26回IBAF 18Uワールドカップに選出。甲子園には出場できなかったものの、3年夏の決勝で同じく代表に選出された山岡 泰輔(瀬戸内-東京ガス-オリックス)と投げ合い、引き分け再試合を演じるなどして注目を浴びていた。当時のメンバーには、松井 裕樹(桐光学園-東北楽天)や森 友哉(大阪桐蔭-埼玉西武)などプロの世界でも活躍を見せている選手が多くいた。田口の武器である、切れ味鋭いスライダーは当時から光っており、登板数は少なかったものの第1ラウンドのチェコ戦では三者連続三振に斬って取るなどして世界の舞台でも活躍した。その後、読売ジャイアンツから3位指名を受けて入団。現在は左のエースとして活躍を見せている。
そしてルーキーながら選出された堀。昨年に台湾で開催された第11回 BFA U-18アジア選手権のメンバーに選出。甲子園優勝投手・今井 達也(作新学院-埼玉西武)藤平 尚真(横浜-東北楽天)寺島 成輝(履正社‐ヤクルト)高橋 昂也(花咲徳栄-広島)の高校BIG4が君臨していたが、大会中はリリーフエースとして大活躍。140キロ後半の速球と切れ味鋭いスライダーを武器にアジア制覇に大きく貢献した。その後、北海道日本ハムから1位指名を受け、1年目の今年は1軍を経験するなどして成長を見せている。本大会では延長11回表途中から登板し無失点に抑える好リリーフ。その後、チームはサヨナラ勝ちを収め、勝利投手となっている。
ブレイクを果たした上林誠知を筆頭に、代表経験のある野手は5名
田村 龍弘(第25回IBAF 18U世界野球選手権大会より)
野手は代表経験のある選手が5人いる。そのうち、捕手はが3人と多くの割合を占めている。
捕手
・若月 健矢(花咲徳栄-オリックス)
・近藤 健介(横浜-北海道日本ハム)
・田村 龍弘(光星学院現:八戸学院光星-千葉ロッテ)
まず、捕手から。近藤は投手の野田と同じく、2011年に日本で開催された、第9回アジアAAA選手権大会のメンバーに選出。当時の捕手は、道端 俊輔(智辯和歌山-早稲田大-明治安田生命)佐藤 大貢(東海大相模-東海大-航空自衛隊千歳)という高校を代表するメンバーで構成されていたがその中で正捕手を務めた。その後、北海道日本ハムに4位で指名された。現在は、捕手ではなくDHや外野手でに出場が多いが天才的なバットコントロールを武器に活躍している。代表では3番を務め、初戦の韓国戦で3安打を放った。
続いては田村。光星学院(現:八戸学院光星)の2011年夏から2012年夏までの甲子園三季連続準優勝という、大記録に大きく貢献した田村は2012年に開催された第25回IBAF 18U世界野球選手権大会に選出。当時にメンバーには、大谷 翔平(花巻東-北海道日本ハム)藤浪 晋太郎(大阪桐蔭-阪神タイガース)などがいた。3年生時には捕手を務めていたものの、森 友哉に正捕手を譲り、2年生時に務めていた三塁手として活躍した。打順は3番で、非常に高い出塁率を誇り、次を打つ大谷にチャンスで回す役目を果たした。その後、千葉ロッテから3位指名を受け入団。盗塁阻止率が非常に高く、正捕手として活躍を見せている。本大会では試合を決める劇的なサヨナラ安打を放った。
そして若月。宇佐美 真吾(読売ジャイアンツ)の辞退により、選出となった。高校時代は、投手の田口と同様に第26回IBAF 18Uワールドカップに選出。正捕手には森 友哉がいたため、なかなか出番はなかった。しかしながら、森のサポートなどをするなどして準優勝に貢献した。その後、オリックスから3位指名を受け入団。年々出場機会を増やしており、来季以降にブレイクを期待したい。
上林誠知(第26回IBAF 18Uワールドカップより)
続いて外野手。
外野手
・オコエ 瑠偉(関東一-東北楽天)
・上林 誠知(仙台育英-福岡ソフトバンク)
まず初戦の韓国戦で同点の本塁打を放ち、日本の窮地を救った上林。彼も田口と若月同様、第26回IBAF 18Uワールドカップに選出。日本の準優勝に貢献した。その後、福岡ソフトバンクに4位指名を受けて入団。昨季から1軍の出場機会を増やし、今季大ブレイク。初の規定打席にも到達した。しかし日本シリーズではあまり出番がなく、さらなる活躍が来季以降に求められる。
そして最後の5人目はオコエ。抜群の身体能力を武器に、高校時代から活躍した。2015年に日本で開催された、第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップに選出。高橋 純平(県岐阜商-福岡ソフトバンク)小笠原 慎之介(東海大相模-中日ドラゴンズ)平沢 大河(仙台育英-千葉ロッテ)清宮 幸太郎(早稲田実業-北海道日本ハム)などと並ぶ、中心選手として活躍。惜しくも優勝は逃したが、持ち味である足と守備を存分に発揮した。その後、東北楽天から1位指名を受け入団。MLBの強打者を参考に打撃改造に取り組み、今季3割をマーク。豪快な打撃と俊足を生かした守備と走塁に磨きをかけ、トリプルスリーを目指してほしい選手だ。
以上、5選手がU-18に続き、今回のENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017にも選出された選手たちである。高校時代とはプレースタイルが変わった選手もいるが、高校時代と同様にプロの世界でも活躍を見せている。
日の丸を背負って戦うということを経験しているとはいえ、緊張やプレッシャーはあることだろう。しかしそれに打ち勝ち、アジアの頂点・そして今後の日本を背負っていく選手になってくれることを期待したい。
(文・編集部)
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