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開幕からいきなり好カード!第87回選抜高校野球大会の対戦カードの見所を紹介!

2015.03.14

 各ブロックに好チームが集結して、見所が多い第87回選抜高等学校野球大会。開幕戦から熱いカードが満載。それぞれの見所を紹介していきたい。

夏春連覇を狙う大阪桐蔭はいきなり東海大菅生と激突!

田中 誠也投手(大阪桐蔭)

 今年の開幕戦は、秋季大会8本塁打を放ち、強打がウリの九州学院と、実戦経験豊富な中川 優、細身の体型からキレのあるストレートを投げ込む本格派左腕・呉屋 開斗、最速145キロ右腕・八木 彬と3人の好投手擁する八戸学院光星とチームカラーが対照的なチームの対決となった。

 さらに第2試合は大阪桐蔭vs東海大菅生の好カードが実現。大阪桐蔭は、昨夏から主力投手で活躍した田中 誠也、長打力のある青柳 昴樹、遊撃手の福田 光輝など好選手が多数。東海大菅生は今大会注目打者・勝俣 翔貴が投打で引っ張る。勝俣の前後を打つ打者が機能しはじめ、つながっていくと怖い打線。互いの持ち味を出せば、打ち合いが予想されそうだ。

 第3試合はエース鈴木昭汰樫村雄大の2枚看板に加え、セカンドの宇草 孔基など野球センスが高い選手がそろう常総学院米子北と対戦。最速143キロ右腕・髙橋 晟一朗がどれだけ常総学院打線を食い止めることができるか。

 第2日目は2年連続出場の今治西は、21世紀枠の桐蔭と対戦。投打の柱・杉内 洸貴がキーマン。小技を絡め、杉内、藤原 睦来のクリーンナップが勝負強い打撃を見せたい。桐蔭は、攻守に粘り強い戦いを見せていきたい。

★ あわせてチェックすると、出場校に詳しくなる記事はこちらより!
・【インタビュー】東海大学菅生高等学校 勝俣 翔貴選手「投打でひと回り成長できた真夏のトレーニング」(2015年02月26日)
・【野球部訪問】東海大学菅生高等学校(東京)【後編】(2015年02月25日)
・【野球部訪問】東海大学菅生高等学校(東京)【前編】(2015年02月24日)
・【Player’s Voice】9年ぶり3回目出場の東海大菅生がセンバツ大会への意気込みを語る!(2015年02月25日)

仙台育英と神村学園の対決は必見!

佐藤 世那投手(仙台育英)

 第2日目第2試合は立命館宇治vs静岡立命館宇治のエース山下 太雅は打たせて取る投球が持ち味。術中にはまると簡単に打ち崩せない強みがある。打撃面では、パンチ力のある藤岡 拓郎、17打点の伊藤 大賀を中心とした強力打線。静岡はチーム打率、平均安打、平均得点、本塁打、平均盗塁の5部門で大会ナンバーワンの実力。秋までは強く振ることを主眼にした打撃スタイルだったが、選抜へ向けて、コンビネーションでかわしにいくバッテリーをどう攻略するかに注力し、調整を進めてきた。立命館宇治としてはしっかりと警戒をして、臨んでいきたい。

 第2日目第3試合に登場する木更津総合は、鈴木健矢早川隆久の2枚看板を中心とした堅実な守備力、安定した試合運びがウリ。例年の強打をウリとするスタイルとは異なるが、ここぞというときに見せる集中打が怖い。岡山理大付は制球力が高いエース・西山雅貴が試合を締める。先制攻撃を仕掛け、木更津総合のペースにさせない試合展開にしていきたい。

 大会3日目の第1試合の敦賀気比vs奈良大附も好カードだ。このカードの見所はなんといってもエース対決といえる。昨夏甲子園4強敦賀気比はエースで4番を打つ平沼 翔太に注目。投げては防御率1.33、与四球率1.83と抜群の安定感を誇り、打者としても打率.500を記録。本塁打3は全出場選手の中で2番目に多く、長打率0.906は主力選手の中で3位。さらに四死球も14あり、出塁率0.600は5位と非凡な成績を残しており、投打で注目したい選手。ほかにも遊撃手・林中 勇輝、バットコントロールが良く、強肩外野手の山本 皓大と好選手がそろう。

 対する奈良大附はエース坂口 大誠が防御率1.35、与四死球率1.52と見ていて安心できる投手。ストレートの球速は140キロ前後だが、非常に伸びがあり、なんといっても、制球力が高い。打線では俊足で、長打力のある奈良大附池田 陵太がキーマンとなりそう。2人のエースが持ち味を示し、手に汗握る投手戦になるか、それとも予想外の打撃戦になるか。序盤までの攻撃が注目になりそうだ。

 明治神宮大会優勝仙台育英は投打ともに総合力が高い。エースの佐藤世那、プロ注目の遊撃手・平沢大河、勝負強い佐々木良介、今大会出場選手の打点王・郡司 裕也など好選手揃い。その仙台育英と対する神村学園は、打線のレベルが非常に高い。打率5割を誇る山本卓弥、ミートセンスが高い都甲 将央など好打者がそろっている。フォークを武器にする佐藤世に対し、どこまで対応ができるか。また投手陣は強力な仙台育英打線をどうしのぎ切るかも注目ポイントになりそうだ。

★ あわせてチェックすると、出場校に詳しくなる記事はこちらより!

・【インタビュー】奈良大学附属高等学校 坂口大誠投手「抜群のコントロールを築き上げたプロセス」(2015年02月23日)
・【野球部訪問】奈良大学附属高等学校(奈良)【後編】(2015年02月22日)
・【野球部訪問】奈良大学附属高等学校(奈良)【前編】(2015年02月21日)
・【インタビュー】敦賀気比高等学校 平沼 翔太投手 「目指すは世代ナンバーワンピッチャー!」(2015年01月03日)
・【野球部訪問】敦賀気比高等学校(福井)(2014年12月13日)
・【インタビュー】仙台育英学園高等学校 平沢 大河選手「頂点を目指し全力疾走」(2015年02月27日)
・【インタビュー】仙台育英学園高等学校 佐藤 世那投手「頭脳的フォークボーラの進化の過程」(2015年02月27日)
・【野球部訪問】仙台育英学園高等学校(宮城)(2014年08月23日)

第87回選抜高校野球 特設ページ
[page_break:13年春優勝の浦和学院と14年春優勝の龍谷大平安が1回戦屈指の好カード / 天理、糸満など好チーム多数]

13年春優勝の浦和学院と14年春優勝の龍谷大平安が1回戦屈指の好カード

津田 翔希選手(浦和学院)

 大会3日目に思わずどっと沸くようなカードが実現した。2013年春優勝浦和学院2014年春優勝龍谷大平安が初戦で対戦することが決まった。今年の浦和学院はエース・江口奨理を中心に1試合平均失策0.62を誇る堅い守備が魅力。打線では右、左に打ち分ける津田翔希、長打力のある山崎滉太浦和学院 高橋司を中心につなぎの打線がウリ。

 龍谷大平安は昨年から主戦投手として活躍する左腕・高橋奎二は、独特の足上げをするフォームにより打ち難さを生み出し、そのフォームから繰り出す角度ある速球、曲りが鋭い変化球を打ち崩すのは難しく、ロースコアの試合が展開されそうだ。

 総合力の浦和学院か、絶対的なエースがいる高橋擁する龍谷大平安か。熱い勝負をファンは待ち望んでいる。

 英明は、エース田中 寛大、技巧派左腕・中西幸汰のサウスポー2枚看板が強力。打線はバットコントロールが良い森山 海暉を中心に着実に点を積み重ねる。大曲工は投打の柱・武田龍成に加え、本格派右腕・山崎 泰雅が一冬超えて成長を見せてきた。お互い攻守にまとまりのあるチーム。好ゲームが予想されそうだ。

 そして今大会注目度ナンバーワンピッチャー・高橋純平擁する県立岐阜商は、松商学園と対戦。高橋は打たれにくいフォーム、打たれにくいストレートと奥深いところまで追求をしてきた。初戦では自分の持ち味を発揮した投球を展開できるか。松商学園はバットコントロールが良く、盗塁技術も高い百瀬 雅也がカギになりそう。投げては安定感がウリのエース・恩田 佑哉が好投を見せ、投手戦に持ち込みたい。

 近江は今大会注目の右サイド・小川良憲に注目。昨夏の甲子園以上の投球を見せたいところ。打線では、主将・仲矢 惇平など経験者の成長が不可欠。投打ががっしりかみ合ってくると、上位進出も期待できそうだ。九産大九州は、技巧派左腕・岩田 将貴が粘り強い投球でしのぎ、5割を記録した尾崎 誓哉大野竜次がキーマン。2人の前にランナーをためて確実に点を積み重ねていきたい。

★ あわせてチェックすると、出場校に詳しくなる記事はこちらより!

・【野球部訪問】県立岐阜商業高等学校(岐阜)(2015年03月11
日)


・【インタビュー】県立岐阜商業高等学校 高橋 純平投手【前編】「152キロを生み出した環境、出会い、過程に迫る」


・【インタビュー】県立岐阜商業高等学校 高橋 純平投手【後編】「自分はスピードだけの投手ではないところも見てほしい」

天理、糸満など好チーム多数

坂口 漠弥選手(天理)

 天理vs糸満も好カード。天理は一発長打がある坂口漠弥、俊足強打の大型外野手・船曳海、対応力が高い好打者・貞光 広登を中心とした打線は強力。糸満は与四死球率が低い投手陣がウリで、エースの金城乃亜、左腕・安谷屋 正貴ともに1試合平均1個ぐらいと安定した投球ができるのが強みだ。また打率.632の大城 龍生など潜在能力が高い選手が多い。

 宇部鴻城vs健大高崎の一戦では、健大高崎が自分たちのスタイルを打ち出すことができれば、一気に試合を優位に進めていくことが予想される。宇部鴻城健大高崎の機動力を封じるかが焦点となるだろう。走者を出しても、粘り強く抑える投球スタイル。また打線では、平均得点7.97を記録した強力打線で打ち崩していきたい。

 二松学舎大附のエース・大江竜聖は昨年よりレベルアップを果たしており、リードする今村 大輝も持ち味を引き出すのが上手い。打線も得点能力が高く、攻守がかみ合えば面白い。松山東にとっては、二松学舎大附の流れにもっていかせないよう粘り強い戦いを見せ、接戦に持ち込んでいきたい。

 今大会最後の登場校となる豊橋工はエース・森奎真が復調なのは好材料。失点を抑える野球を見せていきたいところだ。対する東海大四は、試合運びが上手く、投げては大澤 志意也が球速こそ突出したものではないが、しっかりとゲームを作れる。打線では、邵 広基山本 浩平のクリーンナップは勝負強く、彼らの前に走者をためることがポイントになりそうだ。

 1回戦の見所はここまで。また2回戦以降の見所、対戦カード、出場校選手の活躍ぶりによって大きく変わっていく。1回戦から激戦が多い今大会。終盤まで見逃すことができない試合が多くなりそうだ。

★ あわせてチェックすると、出場校に詳しくなる記事はこちらより!

・【野球部訪問】高崎健康福祉大学高崎高等学校(群馬)【後編】(2014年12月14日)
・【野球部訪問】高崎健康福祉大学高崎高等学校(群馬)【前編】(2014年09月27日)
・【野球部訪問】高崎健康福祉大学高崎高等学校(群馬)(2013年04月12日)
・【野球部訪問】県立松山東高等学校(愛媛)【前編】(2014年12月01日)
・【野球部訪問】県立松山東高等学校(愛媛)【後編】(2014年12月02日)
・【インタビュー】二松学舎大附バッテリー 大江竜聖×今村大輝!「5季連続甲子園出場を果たし、歴史に名を刻みたい」(2015年02月28日)

(文=河嶋宗一

第87回選抜高校野球 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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