Column

「無欲すぎて就職希望だったところを……」紅林弘太郎(オリックス)、恩師が明かす高校3年間

2024.04.23


駿河総合時代の紅林弘太郎

パ・リーグ3連覇中のオリックスの若きショート・紅林 弘太郎駿河総合・23歳)。2019年のドラフトでオリックスから2位指名を受けると、早くも高卒2年目の2021年にレギュラーを獲得。昨年までの一軍出場398試合は2位の中日・岡林 勇希外野手(菰野)の315試合を引き離して、同世代のトップ。さらに通算24本塁打、121打点も同様である。

そんな紅林をプロまで導いたのが駿河総合の望月俊治監督である。現役時代は静岡商、専修大でプレー。卒業後は伊東商静岡商島田商駿河総合の前身の静岡市商で監督を務めた、30年以上の指導歴もあるベテランである。紅林の高校時代について語ってもらった。

望月俊治監督

中学時代から所作にオーラが…

ーーまず紅林選手を初めて見た時の印象を教えてください。
望月俊治監督(以下 望月監督) 中学3年生の夏の大会ですね。彼が通っていた青島中の監督は私の教え子でした。「体が大きくて面白い選手がいますので、ぜひみてください」と話をいただいたので、足を運びました。
所作にオーラが感じられました。ベンチから守備位置につくまでの走り方が格好良かったですね。その試合では結果が出なかったんですけど、一塁まで全力疾走をしている姿勢も良かった。うちならレギュラーになれるなと思いました。

ーーそういった所作は選手を見る上で大事にされているんですね。
望月監督 そうですね。紅林の場合、大げさかもしれませんが、輝いているように感じました。

ーー大型遊撃手は私学からも人気になるようなタイプだと思いますが、紅林選手はどういうきっかけで県立の駿河総合に?
望月監督 規定があって本人とは接触ができませんので、中学の顧問を通じて、色々話を聞いてみると、彼は「すぐに試合に出たい」という希望がありました。それならば、(私立ではなく)うちしかない。顧問に話をして、それがかなった感じですね。

ーー彼の入学が決まってうれしかったんじゃないですか。
望月監督 嬉しい気持ちがありました。同時にやっぱり良い素材なのでしっかりと育てていかなければならない責任もありました。

ーー入学してから紅林選手はすぐに試合に出られたのでしょうか?
望月監督 Aチームの練習試合に出場していました。当初はサードをやっていたんですけど、動きを見て肩も強く、ショートで出られるだろうと判断して出ることになりました。本人もショートへのこだわりは強いと聞いていたんですけど、特別扱いをせず、適性を見て「ショートでいいな」と思いました。5月からレギュラーになりました。

駿河総合時代の紅林弘太郎

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『「就職したい」欲がなかった紅林の目をプロに向けさせる』
『オリックスから指名は考えていなかった』

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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