【小関順二のドラフト指名予想】横浜DeNAベイスターズ編 「チーム内で化学反応を起こすような指名を」
横浜DeNAベイスターズ 今季戦績
143試合 73勝 65敗 5分 勝率.529 セ・リーグ3位(2017年度シーズン終了現在)
筒香に代わるスラッガーを!
細川 成也(明秀日立)
2年連続で3位に入り、安定期に入った。チーム成績は防御率3.83がリーグ4位、打率.253が同2位。得失点差-2は巨人の+32とくらべると低く、投手力の不安定さが若干チームの足を引っ張った面もある(成績は10/3現在)。
打線は首位打者・宮﨑 敏郎(三塁手)、打点王・ロペス(一塁手)、ジャパンの4番、筒香 嘉智(左翼手)を中心に、桑原将志(中堅手)、梶谷 隆幸(右翼手)、倉本 寿彦(遊撃手)、戸柱 恭孝(捕手)とレギュラーが決まっているポジションが多い。
先発投手陣は2ケタ勝っているのが今永 昇太(11勝7敗)、ウィーランド(10勝2敗)、濵口 遥大(現在9勝6敗)、さらに主戦格の石田 健大、井納 翔一が6勝で続き安定している。リリーフ陣は守護神の山﨑 康晃こそ防御率1.64と安定しているが、中継ぎの砂田 毅樹4.12、加賀繁4.44、田中 健二朗4.47、三上 朋也5.12、須田 幸太8.62にかつての冴えがなく、世代交代の気配を感じさせる。
さて、誰を1位入札したらいいのか。常識的に考えれば投手だが、チームの柱である筒香が近い将来メジャーに移籍する可能性があるのでそれに代わるスラッガーを用意しておきたい。その第一候補はもちろん清宮 幸太郎(早稲田実・一塁手)である。
今シーズン終盤の10月3日、ドラフト5位の高校卒新人、細川 成也が初打席初ホームラン、それも3ランを放って華々しくデビューしている。年齢の近い強打者同士がチーム内で競い合う相乗効果はかつての巨人のON(王貞治、長嶋茂雄)、昨年の日本ハムのON(大谷 翔平、中田 翔)で証明されている。細川の2年目の成長、そこに清宮の入団が重なればチーム内に劇的な化学反応が起こる可能性がある。それを是非見てみたい。
2位以下は投手主体の指名に?
本田 仁海(星槎国際湘南)
清宮が獲れなかった場合、外れ1位候補の中に安田 尚憲(履正社・三塁手)も中村 奨成(広島広陵・捕手)も入っていないだろう(すでに指名されていると思われる)。DeNA限定なら横浜高校の主軸、増田 珠(外野手)の1位指名があるかもしれない(10/3現在、プロ志望届は未提出)。走攻守3拍子が揃い、クセのないバッティングスタイルはプロ向き。
野手は主力に20歳代が多く、レギュラーをうかがう若手にも好素材が多いので、2位以下は投手主体の指名になりそうだ。実はこの球団、ドラフトでは大学生、社会人の即戦力投手を指名することが多いので、若手の層が薄い。ここでいう若手とは大学生と同じ19~22歳の年回りの選手のことである。現在このカテゴリーに入るのは濵口、尾仲(ともに早生まれの22歳)以外では砂田、飯塚 悟史、綾部 翔、京山 将弥、平良 拳太郎しかいない。ここに厚みを加えるためにも、今年は高校生の投手を3位以下で積極的に指名したい。10月3日現在、地元・神奈川でプロ志望届を提出している有名球児は星槎国際湘南の本田 仁海だけ。地元選手の獲得に熱心な球団だけに本田の指名は十分考えられる。
左腕が多いのもDeNAの特徴である。主戦格の今永、石田、濵口に、リリーフでは田中健、砂田も左腕。左の好・強打者が多い球界事情を考えれば、左腕の多さは納得できる。さらに左を増やすのならリリーフに適性を見せる田浦 文丸(秀岳館)をはじめ、清宮から5連続、安田から3連続三振を奪ったことで知られる櫻井周斗(日大三)も候補になる。弱いリリーフ陣の立て直しをテーマに臨むのであれば鍬原拓也(中央大)、鈴木博志(ヤマハ)、西村天裕(NTT東日本)が上位で指名されるかもしれない。
(文・小関 順二)
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