<2025年 関西六大学野球 春季リーグ戦 第6節2回戦:神戸学院大4-0龍谷大>◇13日◇GOSANDO南港野球場
昨春の甲子園で準優勝した報徳学園出身の大学1年生たちが早くも大学野球で輝きを放っている。大阪経済大の安井 康起外野手はリーグ4位の打率.359をマーク。同志社大の齊藤 佑征内野手もここまで全試合にスタメン出場している。
龍谷大の徳田 拓朗捕手もその一人。開幕戦こそ途中出場だったが、2戦目以降はスタメンマスクを被り続けている。
「チャンスを与えたところでしっかり結果を出したので使っています」と本郷 宏樹監督。使いながら育てるというわけではなく、実力で正捕手の座を掴み取っている。
高校時代は今朝丸 裕喜投手(阪神)や間木 歩投手(國學院大)らとバッテリーを組み、センバツ準優勝に貢献。スローイングの良さも光っていた。
龍谷大に進んだきっかけは大角 健二監督の勧めから。「練習の体験に行かせてもらって、試合も見て、凄く良いチームだったので、行こうと思いました」と最終的には自分の意思で進学を決めた。
「体も細くて、パワー不足ということで、個人としては2年生の後半や3年生の前半からベンチに入れたら良いなとは思っていました」と控えめな目標を立てていたが、入学早々からリーグ戦に出場。「1年生なりにしっかりリードしてくれています」と本郷監督も信頼を寄せている。
トーナメント戦の高校野球と違って、大学野球はリーグ戦。「高校野球とは全く違って、負けても次があるというか、最大で3試合も同じチームと戦うので、配球が変わったり、一発勝負の配球ができなかいということがあります。1試合目と2試合目で違う配球をしてという風に色々試せるのは面白さでもあるなと思います」とこれまでと違った戦い方に魅力を感じているようだ。
「配球面は自信を持って高校野球の時からできていたので、そういうのは自信を持てるようになったというのはありますけど、まだ入学してから日が浅くて、先輩と組む上で僕の意思とピッチャーの意思が合わないということがよくあるので、しっかりとコミュニケーションを取って合わせられるようにやっていきたいです」と現状の課題を語る徳田。傍から見れば、先輩相手にも臆せずリードできているようにみえるが、本人の中ではまだまだ改善の余地があると感じているようだ。
同級生の活躍は刺激になっている。報徳学園出身の選手が大学で活躍できる秘訣を徳田は次のように語ってくれた。
「人数がすごく多い分、個人でしっかり練習しないと成長しなかったり、スタメンを取れなかったりというのがあるので、どういう状況に置かれても個人で頑張るという力はみんな持っていると思います」
報徳学園は3学年で100人を超える大所帯で専用グラウンドもない。限られた環境の中で成長するためには自分で考えて取り組む力が求められる。より自主性が必要な大学野球ではその環境がプラスに働いているのだろう。
「まずは体を大きくしたいと思っています。体が大きくなってパワーが付けば、大学日本代表に入って、あわよくばプロで今朝丸とバッテリーを組みたいと思います」と今後の目標を語ってくれた。
今節はこれで1勝1敗。14日の3回戦で勝利して勝ち点を獲得すれば、試合がない次節の結果次第で2021年秋以来となる優勝の可能性が残される。もう負けられない状況の中で1年生捕手にかかる期待は大きい。