<全日本大学野球選手権大会:東海大12ー3早稲田大>◇13日◇準々決勝◇明治神宮野球場
東海大が早稲田大相手にコールド勝ちを収めた。中でもこの春入学したばかりの1年生が、全国の舞台で堂々たる活躍を見せ、勝利に貢献した。
東海大を率いる長谷川 国利監督は、「学年関係なく、特徴のある選手を局面を見て使いたいと思っている」と話す。現に今大会のメンバーには1年生5人が入り、持ち味を発揮すれば入学直後から試合出場するケースも少なくない。
この日の試合、1年生では大島 善也内野手(1年=東邦)が6番・指名打者でスタメン出場。強肩が売りの守備に、広角な打撃も持ち合わせる期待のルーキーは「高校の先輩でもあり、助監督を務めている田中 大次郎さんの背中を追いたかった」と東海大への進学を決意。入学後に肩を負傷し、一時は肩を上まであげることすら困難な状況に陥ったが、打撃練習に時間を費やし、試合出場に備えていた。
試合では3回に先制となる内野安打を記録。さらには8回にも先頭で右前安打を放ち、その後の満塁弾に繋げた。磨きをかけた打撃でアピールに成功し、「相手は1ランク上の投手。自分は大学野球が始まって数ヵ月でレベルの差を感じたが、バットが折れた中でなんとか打ててよかった」とはにかんだ。
もう一人期待に応えたのが砂子田 陽士内野手(1年=八戸学院光星)だ。高校時代は2年時から1番を任され2年時夏、3年時春のセンバツ大会と2季連続で甲子園出場を経験。最終学年でキャプテンを務めた実力者は、今春のリーグ戦からベンチ入りし、デビュー戦で初安打を記録するなど、打撃で光るものを見せていた。
今大会もベンチ入りを果たし迎えた準々決勝、8回に代打で出場すると5球目の外の真っすぐを強振し、逆方向のスタンドへ運んだ。大学入学後、初のダイヤモンド一周に「言葉では表せないですけど、とにかく嬉しい気持ちです。最高でした」と興奮気味。早くも存在感を示す形となったが、「スタンドには試合に出ることが出来ない上級生がいる。打てなかったときは申し訳ない気持ちでいっぱいになりますが、1年生として期待されている部分もあると思う。先輩たちや首脳陣の期待にも応えたいですし、1年生らしくはつらつとやりたいと思っています」と冷静さも持ち合わせている。
6年ぶりの4強進出を決め、11年ぶりの頂点が現実味を帯びてきた。就任当時から「強い東海大を取り戻す」と口にしてきた指揮官とともに、あと2つに迫った大学日本一の栄光を狙う。
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