<令和7年 春季関東地区高校野球 埼玉県大会:花咲徳栄5-2本庄第一>◇27日◇2回戦◇県営大宮球場

 1回戦で強打の昌平打線を12奪三振完封した本庄第一の好投手・米田 爽真(3年)に対し、花咲徳栄打線がどういう対応を見せるかがこの試合の見どころであったが、結論から言うと、攻略するまでには至らなかった。岩井隆監督は「相手のピッチャーがよく粘って投げていた」と称え、主軸・田島 蓮夢(3年)は「高めに来た変化球をいかに逆方向へ打てるかという話だったが、思ったより低めに来て捉えきれなかった」と米田の投球に手を焼いた。それでも10安打を放ち随所に花咲徳栄らしさは出した。

 花咲徳栄はこの日、3年生がチームを牽引。2回表、先頭の柳健太(3年)がライト前ヒットを放ち出塁すると、続く水口煌志朗(3年)も四球を選び無死一、二塁とする。ここから酒井煌太(3年)、正岡大弥(3年)、岩村敬太朗(3年)の3連打に相手のエラーが絡み一挙3点を先制する。

 だが、この日は先発・正岡がピリッとせず、昌平を破り勢いに乗る本庄第一打線に対し、3回に加賀崎英将(3年)と西方航大(3年)に適時打を浴び1点差に迫られる。

 1点差とされた花咲徳栄は4回表、この回先頭の岩村がヒットで出塁も、牽制で刺され、後続が連続三振。やや嫌な流れであったが、5回表に相手エラーで1点を追加すると、6回表にも笹崎昌久(2年)のヒットに四死球を絡め無死満塁のチャンスを作り、主砲・田島に回る。

「これまでは庇って当てに行っていた部分があったが、チャンスだし思い切って振ろうと」という田島の犠飛で1点を追加し再度3点差とする。

 その後は本庄第一・米田の184球の熱投の前に追加点は奪えない。

 6回から登板した2番手・左サイドの渡辺祐輝(3年)は、執拗にゴロを打つ粘りが持ち味の本庄第一打線に対し、8回裏に一死満塁とあわやの状況まで追い込まれるも、冷静に後続を打ち取り無失点で切り抜ける。

 9回一死からは黒川凌大(2年)が登板し2球で終える。

 結局、花咲徳栄が5対2で本庄第一の粘りを振り切り夏のシードを獲得した。

 好材料としては肘の故障で出遅れていた田島にも当たりが出てきた。最終回に試運転で登板した黒川は2年時の上原 堆我(オリックス)のように基本は後ろを任せるのではなかろうか。

 とはいえ、次の相手はBシード・山村学園

「一戦一戦ですよ。打線はもうちょっと、もうちょっと」

と、岩井監督も苦笑いを浮かべるが最激戦区の試練は続く。