<令和7年 春季関東地区高校野球 埼玉県大会:市浦和4-0川越>◇26日◇2回戦◇県営大宮球場

 前の試合で大宮東を破った川越と夏の甲子園ベスト4進出経験のある古豪・市浦和との対決。アルプスには大応援団が集結した。練習試合では川越が勝ったそうだが今回はどうか。

 川越大宮東を破るもその代償は大きかった。注目の好投手で4番の平佐悠樹(3年)が大宮東戦で膝を負傷しスタメンを外れたのだ。一方の市浦和のエース北村 昊(3年)も故障を抱えており、両校共に満身創痍の状態である。

 つまりチームの総合力の勝負となる。

 序盤は市浦和ペース。

 初回、野瀬堅真(3年)の適時打で1点を先制すると、その後も、2回に折笠輝人(3年)の適時打、3回には小林寛樹(2年)の三塁打など、1点ずつ小刻みに得点を奪い4点差をつける。

 この試合、市浦和は3イニングずつの継投。先発に軟投派左腕の小林が登板し3回ノーヒットピッチング。その後野瀬を挟み、エース北村が最後を締めた。

 一方の川越は先発に左腕の中田響史郎(3年)が登板し、6回4失点。4失点はしたが、大量失点を許さず何とか凌いでいた。その後は同じく左腕の菊池翔太郎(3年)が無失点で抑え、打線へ流れを呼び込んだが、序盤の失点が大きく響いた。

 最終的に総合力の差で市浦和川越を4対0で下し夏のシードを獲得した。

 市浦和の鈴木監督は小林の好投を称えた。

「先発の小林がよく投げてくれた。3年生6人の代でシードを獲れるとは」

 鈴木監督もこの代でのシード獲得を噛み締める。次の相手は市川越が相手だが、

「1試合でも多くやりたい」虎視眈々と上位進出を狙う。

一方、敗れた川越は大黒柱の不在が大きく敗退も、今大会は大宮東投手陣から10安打を放ち勝利するなど収穫はあった。川越高校・林監督は「他にも右投手がおり、夏には平佐も戻ってくる予定なので、彼ら4枚でゲームを作れるか。盗塁阻止の工夫などを踏まえてトータルの守備力向上、テーマである走塁、1年生も入れての競争です」

 夏までに選手全体の底上げを誓った。