<令和7年度春季近畿地区高等学校野球大会県予選 準々決勝:初芝橋本1-0耐久>◇27日◇準々決勝◇紀三井寺公園野球場
初芝橋本が昨春の甲子園に出場した耐久との投手戦を制して7年ぶりに夏のシード権を獲得した。
試合は初芝橋本・増田 広大投手(3年)、耐久・野﨑 健友投手(2年)の両エースが好投。ともに130キロ台のストレートを投げ込む本格派右腕だ。
「真っすぐも変化球もしっかり投げ切れない部分が多くて、調子的にはちょっと悪かったです」と増田は話すが、要所でコースにストレートやスライダーが決まり、耐久にあと一本を打たせない。
守備陣も良く守り、4回、5回と一死で三塁に走者を背負う場面があったが、いずれも内野ゴロで本塁タッチアウト。毎回のように走者を背負いながらも粘り強く守り抜いた。
「ボールがストライクゾーンに集まらなくて苦しかったです」と振り返る野﨑も増田と同様に粘りの投球を披露。ハイレベルな守り合いが繰り広げられ、スコアレスで5回を終えた。
試合が動いたのは6回裏、先頭の4番・中井 恵紳外野手(3年)が左越え二塁打で出塁すると、続く主将の5番・猪又 和哉内野手(3年)が三塁側に犠打を決めて、一死三塁のチャンスを作る。
ここで打席に立つのは6番の増田。野﨑もここでギアを上げ、自己最速を更新する140キロをマークする。
だが、勝負に勝ったのは増田だった。「前進守備だったので、野手の間を抜こうと思っていました」と2ボール2ストライクから中前適時打を放ち、待望の先制点を自らのバットでもたらす。
増田は7回を投げて、6安打6四死球ながらも4奪三振で無失点。8回からは頼久 悠大投手(3年)が登板し、2回を無失点に抑えてリードを守り切った。
「何とか成果を上げないといけないというプレッシャーは感じております。新人戦でベスト4に入って、この春もベスト4に入りましたので、その辺を維持していきたいと思っています」と語った初芝橋本の東 武志監督。卯滝 逸男前監督の北嵯峨時代の教え子で、1996年夏にはソフトバンクなどでプレーした山田 秋親氏(現びわこ成蹊スポーツ大監督)らと甲子園に出場している。
卯滝前監督が率いていた頃からコーチとして指導に携わり、昨年1月から監督に就任。就任2年目でチームを上昇気流に乗せている。
敗れた耐久もチームの底上げを感じさせる春だった。昨春の甲子園出場メンバーでレギュラーだったのは中軸を打つ白井 颯悟内野手(3年)だけ。秋は初戦で市和歌山に2対9の7回コールド負けを喫したが、春は和歌山東を下して8強入りを果たしており、戦力は整いつつある。
「秋はちょっと間に合わなかったかなと思っていたんですけど、春先には『力が付いてきたな』というのはありました」と井原 正喜監督。打線は無得点に抑えられたが、白井を筆頭に力強いスイングができている選手も複数見られ、夏が楽しみなチームに見えた。
応援メッセージ
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示
まだメッセージがありません。
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示