これまでは打席で手が先に出てしまう癖があったが、それも徐々に改善。3年春も3本塁打を放ち、打率も初めて3割台を達成した。
一転して、3年秋は打率.178で0本塁打と苦戦。だが、野手の正面を突くライナーなど不運な当たりが多く、手応えは悪くなかったという。
最上級生になると、主将に就任。前主将の宮田海聖(熊本工)から中村監督に対して、「言葉一つに重みがある選手がキャプテンをした方が良いと思うので、この学年ではエドポロが一番良いと思います」と推薦があったのが理由だった。
だが、「自分のことに集中したいというのが正直ありました」と最初は固辞。それでも宮田から「お前がやるしかない」と説得され、「やっぱり勝ちたい気持ちもあったので、勝ちたいんだったら、自分がやるしかない」と野球人生初の主将になることを受け入れた。
エドポロ・ケイン
主将になることは一野球選手としての成長にもつながると中村監督は感じている。
「これから野球を覚えようと思ったら、視野を広くして、周りのことも考えながら自分のことができた方が絶対に自分の野球にも役立つから、キャプテンという役職は今後の彼の野球人生にはすごく良い1年間になるとは思います。今のところ、しっかりキャプテンシーを出してチームをまとめてくれていますね」
仲間からの信頼も厚い。同級生で副主将の村上琢磨(延岡学園)はこう語る。
「普段はテンションが高くて、面白いやつなんですけど、野球に関しては的を射たような素晴らしい言動があったり、キャプテンシーを持ったとても熱い男だと思います。大阪学院大で一番の練習量で、いつも自主練を夜遅くまでやったあと、朝早く来て自主練しています」
近年の大阪学院大はリーグでBクラスが続いており、昨秋は勝ち点0の最下位に終わった。チームを浮上させるためにもエドポロが起爆剤となってチームを引き上げる必要がある。「プレーで引っ張りたい。自分が打って、チームを勝たせたいです」と結果で示すつもりだ。
今春の目標はあと4本に迫った関西六大学リーグ記録の通算12本塁打と1シーズン5本塁打の更新。それが達成できれば、チームの成績も自ずと上向くだろう。「チームが勝って神宮に行って、その先にプロに行けたら良いと思っています」と意気込んでいる。
プロ入りは自分だけの夢ではない。2人の兄もプロ野球選手を目指していたが、結果的には届かなかった。エドポロ一家にとって、ケインは最後の砦。兄には打撃の動画を送って、アドバイスをもらうこともあるそうだ。
様々な想いを背負って戦う大学ラストイヤー。春季リーグ戦は4月5日にGOSANDO南港野球場で開幕する。規格外のパワーを持つ主砲の活躍に要注目だ。