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【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編「3、4年先を見据えて!今年も高校生主体の指名か?」

2017.10.21

福岡ソフトバンクホークス 今季戦績

 143試合 94勝 49敗 0分 勝率.657 セ・リーグ1位(2017年度シーズン終了現在)

今年も引き続き高校生主体の指名か?

【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編「3、4年先を見据えて!今年も高校生主体の指名か?」 | 高校野球ドットコム
柳田 悠岐(福岡ソフトバンクホークス)

 08年以降の過去10年間、Bクラスはわずか2回で、リーグ優勝5回、日本一3回を誇る現在のプロ野球界の最強チーム。今季はチーム防御率3.22が12球団ナンバーワン、チーム打率.259が12球団中3位とスキがない。

 タイトル獲得者を見ると、投手部門では最多勝が東浜 巨菊池 雄星と受賞)、勝率1位が千賀 滉大、最多セーブがサファテ、最優秀中継ぎが岩嵜 翔と人材が揃い、攻撃部門ではデスパイネが本塁打王、打点王の二冠、柳田 悠岐が最高出塁率に輝いている。今後ベストナイン、ゴールデングラブ賞が決まればそこに今宮 健太松田 宣浩という名前も加わってくるだろう。

 こういう人材が豊富に揃っている球団は3、4年先を見据えたチーム作りをする。2014、15年には高校生を主体にした指名を展開し、16年も1位の田中 正義以外の3人は高校生だった。彼らの輩出スピードが遅いが、17年は13 年4位の上林 誠知が規定打席に初めて到達し、13本塁打、51打点という成績を挙げ、10年育成6位の甲斐 拓也がリーグ3位の盗塁阻止率.324を記録、14年1位の松本 裕樹は一軍で2勝4敗という成績を残した。高校生主体のドラフト戦略が間違いでなかった、という手応えがあった今年は引き続き高校生主体の指名が行われそうだ。

 1位入札は清宮 幸太郎早稲田実・一塁手)が候補ナンバーワン。一塁手はベテランの内川 聖一(来季36歳)、明石 健志(32歳)が守っているが、清宮が台頭する頃に世代交代が行われるくらいの年齢差で違和感はない。また清宮側が要望していた「厳しく鍛えてくれる環境」は、筑後のファーム施設があって万全。近年、育成ドラフト出身の千賀、甲斐、亀澤 恭平(中日移籍)、石川 柊太などが続々と戦力になっているが、筑後の施設がフル稼働する今後、さらに若手の一軍への輩出スピードが上ると予想できる。

[page_break:九州勢の上位指名に期待!]

九州勢の上位指名に期待!

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村上 宗隆 (九州学院)

 もし清宮の抽選で敗れれば、石川 翔青藍泰斗)、本田 仁海星槎国際湘南)、地元九州の田中 瑛斗柳ヶ浦)という本格派右腕に食指を伸ばしたい。九州勢の上位指名は13年の加治屋 蓮(JR九州)以来途絶えているので、今年は復活を期待したい。

 野手はポジションに関係なくいい順に指名していきたい。村上 宗隆九州学院)は捕手がポジションだが、1年のときは外野手として甲子園に出場して長打が話題になった。捕手としての強肩やフィールディングのよさは他のポジションに移っても指導者の目を引きそうだ。

 東京六大学の通算本塁打記録(高橋 由伸の23本塁打)に迫る本数を放っている岩見 雅紀(慶応大・外野手)にも注目したい。秋季リーグ7本目となる通算21号を神宮球場で見たが、立大の好投手、手塚 周(2年)が投じた外角低めの126キロスライダーを力まずに捉え、バックスクリーンに放り込んだ。6球目に捉えるまで見逃しは1球もなく、厳しいコースの球を2球ファールしたあとの厳しいコースのスライダーを力まずに柔軟なリストワークで捉えた一発で、技術的なよさが目についた。

 外野手としてはお世辞にも守備がうまいとは言えず、走力もだいぶ物足りない。以前の李大浩、現在のデスパイネがそういう選手でバット1本、指名打者としてチームを支えてきた。そういう役割が期待される日本人選手がいてもいいと思った。

(文・小関 順二

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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