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【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26


左から永末 峻也、松本 大和、大谷 汰一(天理)

【トーナメント表】春季近畿大会 結果一覧

奈良の名門・天理。今春の県大会では55得点の強打で優勝を収めたが、近畿大会の戦でも11得点を上げた。今年から大学選手権常連の天理大を率いていた藤原 忠理監督が就任した天理はどんな変化があったのか。注目選手を紹介していきたい。

藤原監督就任で戦術面がレベルアップ

まず攻撃面では犠打、盗塁、エンドランなど細かい攻撃が増えた。3番に座った永末 峻也外野手(2年)は「以前、走者が出た時はとにかく打つという感じでしたが、今は状況に応じて作戦が増えて、どういう打撃をすればいいのか考える時間が増えた」と語る。

また選手たちの打撃を見ると、無駄なボール球に手を出さない。ファールで粘ったりしている。藤原監督は選手たちに簡単にアウトにならない、無駄な打席にしないことを伝えている。この試合ではの好右腕・福田 海晴投手(3年)の前に4回まで4奪三振、無失点に抑えられていたが、4回まで59球とやや多いペースだった。そして5回に5安打を集め、福田から計6得点を奪った。その攻撃を見ると、ファールで粘りながら甘い球を狙ってヒット、初球から狙い打ってのヒットと内容のある攻撃だった。

選手たちに伝えているのは自分の能力を過大評価しないことだ。
「自分は長打が打てると思って、無駄に振り回してしまうのは良くない。今日は4番の松本(大和)が5の0ですが、キャプテンでもあるのに、この内容は失格とも言えます」
選手たちの打撃フォームを見ると実にコンパクトなスイング軌道をしている。最初から長打を狙うのではなく、的確にミートを心がける結果が長打と大量点を生むのだろう。

松本、大谷のスラッガーだけではない。藤原監督高評価の2年生ショートなど野手は逸材揃い

今年の天理は4番・松本 大和内野手、大谷 汰一外野手の2人がキーマン。最も長打が期待出来る選手で、打席に入っても威圧感がある。3番に入る永末は期待の2年生打者。シャープなスイングが光り、思い切りも良い。松本、大谷の2人の存在について「3番を任されたときはかなり緊張しましたけど、とても頼りになる2人が後を打っているので、思い切り振れます。打撃の考え方などをいろいろ学ばせてもらっています」と信頼を寄せている。
 
2番ショート・赤埴 幸輝内野手(2年)は来年の全国クラスの遊撃手になるかもしれない逸材だ。フットワークが軽快で、1つ1つの動きにセンスの高さを感じる。シャープなスイングから鋭い打球を飛ばし、4打数2安打の活躍。藤原監督は「現時点でも高い守備をしていますが、もっとすごくなる選手」と絶賛する。

下位打線にもパンチ力ある打撃が持ち味の豊田 竜都捕手(2年)、軽快な二塁守備とミート力の高い打撃が光る川村 誠志郎内野手(3年)など能力の高い打者が控えている。

投手陣では8回一死までノーヒットピッチングを見せていた麻田 悠介投手(3年)の成長が著しい。最速136キロの直球、スライダー、チェンジアップを操る技巧派左腕だ。最終的に1安打完封勝利を収め、藤原監督は「この完封はさらに自信をつける勝利になる」と評価しつつ、こう注文をつけた。
「まだ簡単な四球を与えています。そうなる要因としては2ボールからさらに際どいところに投げようとしているところ。ストライクが取れればいいですが、ボールになる確率が高くなり、ノースリーになってしまう。そうではなくて、ファールを打たせる投球をすること。ファールを打たせるにはストライクを投げることになるので、しっかりとストライクを投げる技術、球威が身につけば、もっと投球は良くなると思います」

攻守ともに緻密なチームになりつつある天理。全国クラスの松本、大谷、赤埴の3人を擁し、その他の選手たちのレベルも高い。この夏はかなり躍進が期待できそうだ。

8回途中まで無安打の投球を見せた麻田悠介(天理)

【トーナメント表】春季近畿大会 結果一覧

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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