Column

驚異のストレッチ性を誇る強伸 5年ぶりのリニューアルしたユニフォームは「振り切った商品」

2024.03.15


アパレル企画・開発の羽柴翔太氏

(この記事にはプロモーションを含みます。)

ユニフォームだってカッコよく着こなしたい

毎年、甲子園をはじめ、多くのチームを取材していると、つくづく思う。「近年は逞しい体つきの選手が増えた」と。トレーニング、食事などの情報が数年で一気に広がり、誰もが確かな目的をもってすぐに実践できるようになったのも大きいだろう。
ただ、それだけが全てではなさそうだ。
「子どもの好みは、伸びるユニフォームなんです。やっぱり年頃の子どもなので、ちょっとでもカッコよく見えるように、あえて小さいユニフォームを着るんですよね。それで太くなった足腰をアピールするんですけど、そうするとユニフォームはどうしても切れやすい。そういったこともあってユニフォームは3、4枚持つようにしています」

球児の息子がいる保護者が少し苦笑いをしながら、現在のユニフォーム事情を教えてくれた。本音では「耐久性が良かったり、汚れが落ちやすかったり、すぐに乾いたりするユニフォームの方がありがたい」とこぼしていたが、結果的に息子が着たいフィット性に優れたユニフォームを買ってしまうそうだ。

2年かけて編み出した今までない生地

内側にはミズノプロのロゴを入れるこだわりぶり

そんな保護者の悩みを解消しつつ、球児たちが求める高いフィット感を併せ持つユニフォームが、ミズノから販売されている。その名も「「ミズノプロ 強伸 -KYOSHIN-」(2024年1月発売)である。

5年ぶりにリニューアルしたという強伸。定番展開しているGACHIパンツと比較しても、約1.8倍のストレッチ性があるというのが特長だ。「先日、店頭に足を運んで話を聞きましたけど、『動き出し好調ですよ』という声がありましたので、いいスタートだと思っています」とアパレル企画・開発の羽柴翔太氏は話す。

現役球児が羨ましくなるような、生地の柔らかさとストレッチ性。そんな強伸は、どうやって実現したのか。その答えの1つは生地にあった。

「生地に関しては、本当にいいモノが仕上がっているんですよ。今までにはないストレッチ性を求めながら、耐久性を両立させる。それがもっとも大変だったんですが、ユーザーが求めていることですので、2年ほど時間をかけてメーカーさんとやり取りをさせてもらって、実現しました。
やっぱり、どれだけストレッチ性に優れていても、1回使っただけで破れてしまうのは、選手も保護者も大変です。だから両方とも意識しながらアップデートしたというのが、今回のポイントの1つなんですよね」

一般的に、耐久性を増すためには目付と呼ばれる、生地の単位面積あたりの重さを厚くすれば、強度は上がる。しかし、厚くすれば必然的に動きやすさは損なわれる。ストレッチ性と耐久性は相反する要素なのだ。

そこで羽柴氏は、新たな生地をメーカーと協力して、耐久性も意識した生地開発を進めた。結果、「元の生地が従来よりも伸びるから、目付を上げることが可能になった」と強伸のリニューアル実現までの経緯を明かした。

しかし生地だけが変われば、強伸が実現したわけではないという。
「生地が素晴らしいモノになったので、縫製技術はシンプルイズベストにしました。
今までは動きやすくするために縫製のところで工夫をしていましたけど、生地そのもののストレッチ性があって動きやすい。あと、縫い目に沿って真っすぐ縫製した方が、着用時の見栄えもキレイになります」

憧れ、理想に近づけるユニフォーム

インタビューに応じる羽柴翔太氏

ストレッチ性と耐久性の両方のバランスが取れたユニフォームだということは分かった。そのための新たな生地、縫製技術を採用しているということも理解できた。しかし、根本的な開発背景は一体何だったのだろうか。

「もちろん、今までのユニフォームは変わらず人気です。とはいえ、次のリニューアルに向けて、準備していこうと動いていたんです。
というのも、プロ野球選手だけではなく、高校野球の強豪校の選手たちが『鍛え上げた足腰を見せたい』という文化が2000年代に入ってから形成されたと感じています。そうなった時に、『フィットしたユニフォームを履きたい』ということになるのですが、ストレッチ性がないと動きにくいんですよね。だからストレッチ性が求められるようになったと、分析しています」

トレーニングが充実し始めるなど、2000年代あたりから現場が徐々に変化してきたことに影響されてきたと推察する羽柴氏。それまではもちろん、ユニフォームで最初に求められたのは耐久性。それが土台としてあるのを前提に、「どのように着こなしていくか」と個性を出すことを考えたときに参考にしたのが、憧れのプロ選手の姿や甲子園で戦う同級生の姿だった。

実際、近年の高校野球を見ても、影響力は見えてくる。
脱坊主に始まり、2023年の夏の甲子園では日焼け止めを塗る球児の姿が話題になった。さらには化粧品メーカーとのタイアップで大谷翔平が起用されるなど、文化の変わり目にあるといっていい。羽柴氏も「オシャレというか、カッコよく感じますし、意識は確実に高くなっていると思います」と笑みをこぼしながら、トレンドの移り変わりに驚きを感じているようだった。

こうした流れを理解したうえで、今回の強伸はあえて、コンセプトはストレッチ性と耐久性に絞ったという。
「全員にハマる商品を作るのは難しいと思うんです。もちろん多くの人に納得いただく商品を提供していますが、全ての意見を取り入れてしまうと中途半端な商品になってしまう。
ですので、思い切って振り切るところは振り切った商品をたくさん出す。そうやって、個性のある商品を幅広く展開することで、どれか1つでも納得いただける商品を選んでもらえるように、今後も頑張りたいと思います」

ミズノでは汚れの落ちやすさやニオイ対策に着目したピュアハイパーシリーズ。そして長く愛されているGACHIパンツシリーズ。シリーズだけでも様々だが、ユニフォームのスタイルもレギュラーやショートフィット、ロングスタイルのみならず、足元の裾が縛られていないバギースタイルなど、種類は豊富だ。

そんななかで、ストレッチ性と耐久性に特化したのが強伸。そのストレッチ性がいかなるものなのか。選手自身の手で確かめて欲しい。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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