Column

「1球が命とり」「速いだけでは打たれる」 NPBで活躍する超一流投手たちが話す“回転”の重要性

2024.04.19


今永昇太

投手評価は球速だけはない

投手を評価するポイントの1つであり、もっとも注目されやすい項目といえば、やっぱり球速だ。
最速、アベレージでどれくらい計測するのか。スカウトはスピードガン片手に選手をチェックする姿を球場でよく見る。メディアでも大きな見出しに使われがちなのは球速であり、選手たちに話を聞いても「あと××キロ上げたい」という声がやっぱり多い印象だ。

ただ近年、NPBの試合中継はどうだろうか。もちろん球速表示は出るが、回転軸や回転数が時折出てくるのを見かける。計測機器の発達のおかげでデータが出るようになったのは言うまでもないが、その結果を受けて、球速以外の部分でそのボールの特徴を解説者が語り合うようになった。“回転”というものへの意識を持つ文化形成を加速させたわけだ。

NPB選手たちが続々語る、“回転”へのこだわり

日本ハム・伊藤大海投手

実際、NPB選手たちに話を聞いても、回転への意識はかなり高い。

「プロに入ってから真っすぐを大事にしようと思っていましたが、スピードだけではなくて、回転やキレで勝負をしたいと考えていました」(日本ハム・伊藤大海

「どの世界も球速が速いだけでは打たれます。なので指先でしっかりとかかっているかどうかが大事ですし、しっかりと回転をかけたうえで、スピードが出ていれば一番だと思います」(日本ハム・宮西尚生)

「スピードボールは投げたいと思っていますけど、回転をかけることでスピードも出ると思いますし、打者も打ちにくいはずなので、(回転は)意識をしています」(ヤクルト・石山泰稚)

「僕たちは1球が命とりです。なので、日ごろの練習から回転軸のブレを無くしたいんですよ。そのためにはキャッチボールが基本になっていますし、距離に関係なく指先でしっかりと回転をかけることを意識しています」(ヤクルト・石川雅規)

日の丸を背負う好投手、球界を引っ張る大ベテランまで、“回転”という要素を強く意識している。もう球速だけで勝負する世界ではないことを痛感させられる。

巨人・菅野智之

もちろん、球速を完全に捨てていいものではない。巨人・菅野智之も「球速には存分にこだわっていいと思う」と語る。実際にSNSをはじめ、球速向上のハウツー、トレーニング法があらゆる形で情報発信されている。その現状に対して、菅野はこうも語っている。

「情報が沢山出ているので、中学、高校生はとらわれて過ぎてはいけないと思うんです。情報過多になってしまって、何がいいのかわからなくなると思いますから。
数字についても同じです。計測機器が沢山ありますけど、数字にとらわれ過ぎていけない。あくまで指先の感覚が大事だと思います」

菅野の言う通り、情報や数字との付き合い方は今後考えるべきところ。と同時に指先の感覚も考え続けるべき課題だが、菅野同様に、カブス・今永昇太も指先の感覚を意識している。
「高校の時から良い回転をかけることを意識していて、キャッチボールの時から指先から離れる感覚を大事に、遠心力に負けないように投げるようにしています」

NPB選手も愛用する“回転”強化の秘密兵器

MOI-75

そんな指先の感覚にアプローチし、“回転”強化に結び付けているのが、ミズノが販売しているMOI-75だ。

慣性モーメント(MOI)(=Moment of Inertia)を75%まで制限したことで、指先から離れやすいという商品。抜けないように抑えつけることで、“回転”を強化するという仕組みになっているわけだが、このボールは今永も愛用していたアイテムだ。

「指先から離れやすい特性があるので、抑えつける力を鍛えられますし、このボールを使って違った刺激を受けるからこそ、普通のボールに戻った際に新たな感覚が見つけられる。その点が良いと思っています」

“回転”という世界は、徐々に注目を集めるようになった。NPB選手も強くこだわっているように、注目度の向上に比例して、年々重要なファクターになってきた。既に意識している選手はこれまで以上に、意識したことがなかった選手は考えてみて欲しい。

そのきっかけに、MOI-75はもってこいのアイテムだろう。
<MOI-75の詳しい情報・使い方はこちらから>
<MOI-75の商品情報はこちらから>

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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