厳しい競争を勝ち抜いた高卒1位、2位の選手は、真のスター、エリート候補生だ!
プロ野球ファンを興奮させる選手は高卒1位、2位指名選手が多い

大谷翔平(北海道日本ハムファイターズ)
今、大谷 翔平(北海道日本ハムファイターズ)、山田 哲人(東京ヤクルトスワローズ)、筒香 嘉智(横浜DeNAベイスターズ)といったスター選手たちがプロを席捲しているが、やはり顔ぶれを見ると、高卒ドラフト1位、ドラフト2位の選手が多い。プロ野球は高卒、大卒、社会人、独立など様々な経歴を持った選手がしのぎを削っている。
結果的にどのカテゴリーの選手が苦労するかといえば高卒である。なぜかといえば、即戦力として期待される大卒、社会人選手と競争するのだから、将来性を期待されているとはいえ、競争に負けて、早くして球界を去る選手も多い。高卒からのスター選手はロマンがあるが、当たるのは難しいのだ。
そういう選手たちと混じっても、存在感を示し、ファンに大きな印象を与える高卒ドラフト1位、2位の選手は、まず即戦力の大学、社会人の選手と比較されながらも上位24名の中に入り、そしてプロの舞台で、先輩選手の競争を勝ち抜き、主力選手の座をつかむ。やはり真のエリートであり、スターといってもいいのだ。
過去を振り返ると、投手でいえば、松坂 大輔、ダルビッシュ 有、田中 将大、そして今を時めく大谷 翔平もドラフト1位。野手でいえば、松井 秀喜、城島 健司と海を渡った選手も高卒ドラフト1位だった。
もう一度、今年のタイトルホルダーを見ると、高卒選手が多い。
■タイトルを獲得した高卒選手
セ・リーグ 本塁打王・打点王 筒香 嘉智 ※関連記事
首位打者 坂本 勇人 ※関連記事
盗塁王 山田 哲人(2年連続トリプルスリー)※関連記事
パ・リーグ 打点王 中田 翔 ※関連記事
最多勝率 千賀 滉大 ※関連記事
こうしてみると打撃のタイトルは高卒選手が多く、ほとんどが1位、2位以内に指名されている。野手のスターは高卒選手から生まれるといっていいかもしれない。
さらに打率2位の鈴木 誠也、パ・リーグ打率2位の西川 遥輝はドラフト2位、パ・リーグ防御率2位の菊池 雄星はドラフト1位、リーグ2位となる14勝を上げた武田 翔太はドラフト1位、パリーグ3位の30セーブをあげた松井 裕樹もドラフト1位。顔ぶれを見るとタイトル争いの上位に入っている選手は高卒の若手選手が多い。彼らも最初はプロの壁に苦しみ、着実に実力を身に付けて、一流のステータスに立った選手たちだ。
この流れが続くと、高卒1位、2位の選手たちはより注目される流れとなっていくはず。
次世代を担う高卒1位、2位指名選手は?

今井達也(作新学院)
では、次世代を担う高卒1位、2位の若手スター候補はどんな選手たちだろうか。
3年目まで通算33本塁打、打率.288と別格の数字を残している森 友哉(埼玉西武)、来年エース格として活躍が期待される高橋 光成(埼玉西武)、今年、ファームで18本塁打を放った岡本 和真(巨人)、高卒1年目ながら2勝を上げた小笠 原慎之介(中日)、本塁打を放ったオコエ 瑠偉(東北楽天)、将来のレギュラー候補・平沢 大河(千葉ロッテ)など楽しみな選手が多い。名前を挙げた選手たちは、甲子園で活躍を見せてきた選手たち。そのままプロでもスターと呼ばれる選手となってくれることを期待したい。
そして今年、2位まで指名された高卒選手は以下の通りだ。
1位 今井 達也(作新学院)※関連記事
寺島 成輝(履正社)※関連記事
藤平 尚真(横浜)※関連記事
堀 瑞輝(広島新庄)※関連記事
2位 高橋 昂也(花咲徳栄)※関連記事
古谷 優人(江陵)※関連記事
6人の投手が2位までに指名を受けた。6人ともいずれ将来、先発の柱や重大なポジションを任されていてもおかしくない顔ぶれである。彼らはケガや不調、あるいは早期敗戦など苦しい時期を味わった。例を挙げれば今井はこの春の県大会まで登板なしの投手。素質の高さだけではなく、努力できる才能があるからこそ、ここまでの活躍を見せたのだろう。
これからも自分を磨き続ける姿勢を貫き、ぜひこの6人には球界を代表する投手と呼ばれる存在になることを大いに期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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