Column

大阪桐蔭(大阪)編「2000年代史上最強の超強豪校・大阪桐蔭のつながり!」

2017.10.09


左から 高山 優希、青柳 昴樹(大阪桐蔭)

 大阪桐蔭つながりその3。今回は大阪桐蔭の栄光を振り返りつつ、ここ3年の成績・今後に迫っていきたい。

史上初となる2度目の春夏連覇を目指した今夏

 毎年、全国トップレベルのチームを作り上げる大阪桐蔭。常に優勝候補に挙げられることから、「超強豪校」と言われることも少なくない。西谷 浩一監督は全国各地に出向き、好選手のスカウトを行っているという。そのことも1つの強さの理由であろう。

 その大阪桐蔭は、2000年代に入り凄まじい強さを見せている。春優勝2回、夏優勝3回という素晴らしい成績を収めている。その中には、浅村 栄斗(西武)藤浪 晋太郎(阪神)森 友哉(西武)などのプロの第一線で活躍している選手がいた。高校野球だけでなく、大学・社会人・プロとレベルが上がったところでも活躍することができることも、大阪桐蔭のすごさだ。

 ここ3年間も素晴らしい成績を収めている。2015年春は、福田 光輝青柳 昴樹田中 誠也などを擁して第87回選抜高等学校野球大会に出場。準決勝で、後に優勝を果たした敦賀気比と対戦。敦賀気比松本 哲幣に2本の満塁弾を浴びるなどして敗戦。ベスト4ながら悔しさを味わった春。悔しさを夏に晴らそうとしたが、夏は大阪府大会・準々決勝で大阪偕成学園に敗れた。

 2016年は全チームから主力として活躍していた、吉澤 一翔中山 遥斗永廣 知紀の野手に加え、明治神宮大会で150キロを計測した高山 優希がエースとして第88回選抜高等学校野球大会に出場。1回戦は土佐に快勝し、2回戦では木更津総合と対戦。明治神宮大会の再戦となったが、選抜では木更津総合に軍配が上がり2回戦で姿を消した。は、当時1年生の藤原 恭大根尾 昂の新勢力を加え、甲子園出場を目指したが3回戦で関大北陽に1対2で敗れ2年連続で夏出場を逃した。

 そして記憶に新しい2017年。藤原 恭大根尾 昂中川 卓也大阪桐蔭山田 健太などの下級生に加え、3年生の徳山 壮磨山本ダンテ武蔵などがスタメンに名を連ねたチームを福井 章吾が強烈なキャプテンシーを発揮してまとめ上げた。2016年秋は大阪府大会の準決勝で履正社に4対7で敗戦。近畿大会でも準決勝で神戸国際大附に3対5で敗れ、西谷監督が話す「力不足」が結果として表れた形となった。
しかしそこから底上げをし、迎えた第88回選抜高等学校野球大会。1試合ごとに成長しながら勝ち進んでいった大阪桐蔭。2回戦では静岡に11対8と乱打戦になったかと思えば、準々決勝・東海大福岡には4対2、準決勝・秀岳館には2対1と、接戦でも強さを見せた。そして迎えた決勝の相手は履正社。初の大阪決戦となった決勝戦は、藤原 恭大の2本塁打をはじめ、西島 一波の決勝本塁打が飛び出すなどして8対3で勝利し、春を制した。その後春の近畿大会夏の大阪府大会も勝ち抜き迎えた、今夏。初戦の米子松蔭に快勝し2回戦は強豪・智辯和歌山との接戦を制し、3回戦は仙台育英。最終回を1点リードで迎えたが、柿木 蓮がサヨナラ打を浴び、史上初の2度目の春夏連覇はならなかった。

 現在のチームは「ミレニアム世代」と呼ばれ、好選手が多く揃う。三刀流として注目を浴びる・根尾 昂は新チームの遊撃手を務める。第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップでも活躍した藤原 恭大は不動のリードオフマン。大阪桐蔭山田 健太は強打の二塁手として中軸を担う。投手陣は柿木 蓮横川 凱の左右のダブルエース。そして主将は、中川 卓也。今夏悔しい思いをした選手の1人。悔しさを胸に、夏は100回大会という節目の記念大会。史上初の2度目の春夏連覇をミレニアム世代で狙う。

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近年の卒業生

 卒業生を振り返ると、プロで活躍している選手はもちろん、大学・社会人で活躍している選手が多い。2013年卒以降は、レギュラーのほとんどが大学野球を続けている。甲子園だけではなく、上のレベルで活躍したい、という思いで練習を積んでいるからこそ、次のステージでも活躍できる選手が多いのではないだろうか。

■2009年卒
浅村 栄斗 (埼玉西武ライオンズ)
福島 由登青山学院大–Honda)
萩原 圭悟(関西学院大–ヤマハ
奥村 翔馬(関西大-元NTT西日本
福島 康平大阪経済大卒)

■2010年卒
佐野 力也青山学院大–日立製作所)

■2011年卒
江村 直也(千葉ロッテマリーンズ)
福本 翼青山学院大–東芝)

■2012年卒
西田 直斗 (阪神タイガース)
河原 右京早稲田大-トヨタ自動車)
山足 達也立命館大-Honda鈴鹿)
北川 利生創価大-日本通運)
川端 晃希同志社大-JFE東日本)

■2013年卒
藤浪 晋太郎 (阪神タイガース)
澤田 圭佑立教大-オリックスバファローズ)
大西 友也同志社大卒)
平尾 奎太同志社大-Honda鈴鹿)
水本 弦亜細亜大-東邦ガス)
白水 健太同志社大-石川ミリオンスターズ)
安井 洸貴(関西大卒)
妻鹿 聖亜細亜大卒)

■2014年卒
森 友哉 (埼玉西武ライオンズ)
久米 健夫(関西大)
笠松 悠哉立教大
水谷 友生也(法政大)
高木 俊希愛知学院大
葛川 知哉青山学院大
高西 涼太拓殖大

■2015年卒
香月 一也 (千葉ロッテマリーンズ)
福島 孝輔同志社大
横井 佑弥國學院大
峯本 匠立教大
正随 優弥亜細亜大
中村 誠(日体大)
森 晋之介拓殖大

■2016年卒
福田 光輝 (法政大)
青柳 昴樹(横浜DeNAベイスターズ)
田中 誠也立教大

■2017年卒
永廣 知紀(法政大)
中山 遥斗國學院大
高山 優希(北海道日本ハムファイターズ)
古寺 宏輝(関東学院大)


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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