【センバツ】飛距離は明らかにダウン、外野守備位置も前に…「新基準バット」が甲子園を変えた
高橋 徹平(関東一)※写真は過去の取材より
甲子園の試合を初めて外野席で見た。これまでは記者席のあるネット裏、もしくは一塁側、三塁側ベンチ横、もしくはその上部で試合を見てきた。野球を見る上で、このポジションが最適なのだ。しかし、18日に開幕した第96回選抜高校野球大会は、真反対から試合を見てみようと思った。
それには訳がある。外野手の動き、外野に飛んだ打球を間近で見たかったからだ。これまでのポジションでは、外野が遠くに離れているため見にくいし、打球の勢いなども分かりにくい。外野席、それも最前席で、選手に近いポジションで実際の打球を見たかった。
今年のセンバツから、いわゆる飛ばないバットが使用される。5、6メートルは飛距離が落ちると言われているが、本当なのだろうか。それを感覚的にも確かめたかった。
第1日の3試合で、本塁打は出なかった。第1試合が始まるころには強烈な追い風が吹いていたにもかかわらずだ。フェンス近くまで飛んだ打球は確かにあった。しかし、スタンドインすることはなかった。やはり飛距離は落ちていると思っていい。
それに外野手のポジションが前になったようにも見えた。内野手との間に落ちるいわゆるポテンヒットが増えるとの見方もあったが、確かにフラフラと上がる打球も多く見られた。
打者側の新基準バットへの対応とともに、この「新基準打球」にも外野手は対応していかないといけないのではないか。これまでの打球の感覚に加え、「打球が伸びない」という感覚も身につけないといけない。思ったより前に落ちるし、思ったより伸びない。この感覚を早く自分のものにしないといけない。
外野手には守備範囲の広さが必要とされる。これから、もっと高度な守備力が要求されていくだろう。これまで「捕れない」と思っていた打球が「捕れる」と思えるようになるかもしれない。そのなかで失敗と成功を繰り返し、ファインプレーを連発する外野手が現れるかもしれない。
芯に当てないと飛ばない新基準のバットで、真の強打者が生まれることを期待すると同時に、これまでよりハイレベルな守備感覚を持つ外野手が現れてくることも期待したい。
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