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強力打線を作り、全国の中学生をスカウティング…健大高崎 日本一を支えた敏腕コーチの最後の春 選手たちが帽子に書き込んだ「熱い思い」

2024.04.01


青柳監督(左)と肩を並べる赤堀 佳敬コーチ(右)※写真は2021年取材時のもの

第96回選抜高等学校野球大会で、初の優勝を達成した健大高崎(群馬)。選手たちはスタンドへ向かって、あるコーチに優勝の報告を行った。

赤堀 佳敬コーチである。
赤堀コーチはチームの打撃指導と中学生へのリクルートを担当している。今の選手たちは赤堀コーチの誘いにより、入学を決めている。選手たちが慕う赤堀コーチは、今大会を最後に健大高崎を離れ、4月7日から静岡の磐田東の監督に就任する。選手たちは「赤堀さんのために」という思いで日本一を目指したのだった。

「今の選手たちは小学生6年、中学1年生の時から知っている」

赤堀コーチは伊豆中央高、中京大を卒業後、磐田南のコーチ、盛岡大附の副部長を経て、2019年から健大高崎のコーチに赴任した。盛岡大附時代には、関口 清治監督のもとで打撃理論を学んだ。
その基本は「ボールのラインに対してバットの軌道を入れること」。健大高崎からコーチのオファーがあった時、驚きがあったという。
「“機動破壊”を掲げる機動力をウリとするチームでしたので、驚きました。青柳監督や生方部長は、自分の思い通りにやらせてくれました。この2人に絶対に良い思いをさせたいと思っていました」(赤堀コーチ)
赤堀コーチは主に下級生の指導を担当。1年生から指導してきた選手たちが最上級生となった2020年秋には、超強力打線を武器に秋季関東大会優勝した。小澤 周平内野手(早稲田大)を中心に控え選手たちも多くの本塁打を放ち、この学年は全体で2年秋までに210本ものホームランを放った。

一方で、スカウティングにも本腰を入れる。
赤堀コーチは全国各地のチームを訪問する。中学の全国大会、選抜大会だけではなく、NPBジュニアトーナメントも見て、将来の金の卵を発掘する。
「今の選手たちは小学校6年や、中学1年生たちから知っている選手ばかりです」
目をつけた選手がスーパー中学生ならば、私学の強豪校との争いになる。健大高崎に来てもらうために何度も訪問する。
「やっぱり熱意です。元プロ野球選手や社会人野球で凄い結果を残した選手など経歴で凄い指導者が『うちに来て欲しい』といえば、すぐに来てくれるかもしれません。しかし自分はそういう実績がないので、とにかく何度も行って、指導者の方や中学生に『今日も来ているな』と覚えてもらうしかありません」
選手を見るポイントは2つ。“しっかりと体を使って振れる子”と“普段の行動の立ち居振る舞い”だ。対象選手は食事までこっそりと観察するという。
「体ができてなくても振れる子はなんとかなります。中学の指導者の方もそういう選手をウチに推薦してくれるようになりました。
また立ち居振る舞いは特に大事で、食事中に仲間と喋っている姿や態度を見て獲るのを辞めた中学生もいます。横柄な言動や行動が見えたりすると『怖いな』となりますよね。
今の選手たちはいつも表情良くやってくれています。それこそが選手たちの技術が一番伸びる要素になるので」

次のページ:
『中学時代のスタイルをむやみに否定しない』
『帽子に書いた「赤堀さんのために」』

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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