吉岡暖(阿南光)、モイセエフから3三振を奪った“超高校級”投球術! 二段モーションで打者を翻弄【センバツ・輝きを放った逸材たち】
阿南光・吉岡 暖 ※写真は過去の取材より
今年のセンバツで、昨秋の公式戦から大きく進化をみせたのが、阿南光の吉岡 暖投手(3年)だ。初戦の豊川戦(愛知)では11奪三振完投勝利。四国大会の投球を比較すると、変化球の精度、投球のバリエーションに大きな進化があった。
130キロ前半のツーシーム、120キロ台のスライダー、120キロ後半のフォーク、90キロ台のカーブで構成。
特にツーシーム、フォークは手元で鋭く変化し、大会注目打者・モイセエフ ニキータ外野手からカットボール、フォークで三振を奪った。
4種類の変化球を投げ分ける投球に、豊川の打者もとどまっている様子だった。
モイセエフ相手にはこんな配球を行った。第2打席にカーブ3球続けたあと、128キロのフォークで空振り三振を奪ったのだ。これは高橋 徳監督の指示だったようだ。バッテリーだけではなく、監督も一緒になってモイセエフを抑え込んだ。対策へ向けて、神宮大会の豊川vs高知の試合の映像を見て、強く振れるストレートやインコースの割合を少なくしながら、フォークを軸に投球を組み立てた。
投球フォームにも変化があった。秋は軸足の膝を上げるヒールアップ投法をしていたが、左足を少し振り子気味に上げる二段モーションを今年1月から採用。その動きは今年のヤクルトの開幕投手を務める吉村 貢司郎投手(日大豊山)と似ている。このフォームに軸足にしっかりと力を溜めることで、質のあるストレートとキレのある変化球を投げる手応えを掴んでいる。
投球の引き出しは格段に広がっており、投球術の上手さは超高校級。センバツ初戦は10℃以下で、球速が出にくいコンディションだったため、最速143キロにとどまった。
気温が上がれば、145キロ以上は十分に期待できる投手。これからも快投を見せ続ければ、高卒プロの可能性も高まるのではないか。
【経歴】
吉岡 暖(よしおか・はる)
182センチ78キロ
右投げ右打ち
阿南市立阿南中(阿南シティホープ)
ヤングリーグの2021 グランドチャンピオン大会で全国優勝を経験
1年夏 背番号18としてベンチ入り
1年秋からエース
2年春は県大会優勝
2年夏は4強
2年秋はエースとして四国大会決勝まで導く
秋の成績は 8試合 62.2回 66奪三振 防御率2.44
センバツ初戦 豊川戦 9回4失点 11奪三振
趣味:サウナ
対戦したい選手 髙尾 響投手(広陵)世代NO.1投手だと思うから
高校通算本塁打3本(練習試合のみ)
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