ソフトバンク1位公表のイヒネ、今宮&柳田をミックスした超大型遊撃手の誕生となるのか
イヒネ イツア内野手(誉)
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実現すれば13年ぶりのことになる。ソフトバンクが今ドラフトで、誉(愛知)のイヒネ イツア内野手(3年)を1位で指名することを公表した。188センチ、83キロの体格で、攻守にわたりスケール感抜群の大型遊撃手。甲子園に出場はしてないが、多くの球団がトップクラスの遊撃手という評価をしていた逸材だが、ソフトバンクがいち早く手を挙げた。
ソフトバンクが高校生の遊撃手をドラフト1位指名するのは、2009年の今宮 健太内野手(明豊出身)以来、13年ぶりのことになる。獲得することができれば、当然「ポスト今宮」として大きく期待されることになる。今宮も今年で31歳になった。今季は初の打率3割も狙えるほど打撃は好調だったが、年齢には勝てない。そろそろ本格的に後継者を育てないければならない。これまでも遊撃手をドラフトで指名してきたが、いずれも「大型」ではなく、守備中心の三拍子揃った選手が多かった。イヒネがしっかり育てば、向こう10年はチームの攻守の柱が安泰となる。
イヒネ本人は柳田 悠岐外野手(広島商出身)に憧れているという。伝説のメジャーリーガー、ケン・グリフィーJrにも憧れ、2人の動画を研究し、自分の打撃に取り入れているという。たしかに、構えた時にバットを激しく揺らしているのは、往年のケン・グリフィーJr.そのもの。フルスイングして大きくフォロースルーを取るあたりは柳田に似ている。さらに、大きな体格ながら、態勢を崩されながらもバットに当ててヒットにすることもあり、「変態打ち」とも言われる柳田スタイルの素質もあるかもしれない。
柳田は、鳴り物で入団したわけではなかったが、ソフトバンクに入団して花開いた。もちろん、王 貞治・球団会長も「惚れた逸材」だったこともあったが、長所を存分に伸ばす方針を実行してきた中心人物が、今の藤本 博史監督だ。イヒネにとっては柳田本人がいることはもちろんだが、柳田を育てた男が監督としていることは心強い。思い切って自分の素質を伸ばすことに専念できる。
今宮と柳田。2人は体格こそ違うが、プロ野球界ではトップクラスの遊撃手とスラッガーである。この2人の攻守の後継者として期待がかかるイヒネが、どんな選手として成長していくのか。まだドラフト前なのに気が早すぎるといわれそうだが、そんなことを想像するとワクワクする。
(記事=浦田 由紀夫)