プロ野球ではゴールデンウイークの大型連戦を終え、各球団35試合前後を戦った。まだシーズンの約1/4程度を消化したのみだが、今年はまるで別人のような覚醒を見せている打者が多く存在する。

 その1人がオリックスの廣岡 大志智弁学園)だ。ヤクルト時代から大砲候補として期待され、2019年には打率.203ながら、10本塁打を放った。選球眼こそ良かったが、空振り率が高く、長らく確実性に苦しんできた。2度のトレードにより巨人、オリックスと環境を変えたが、昨年も打率.194と振るわなかった。だが、オリックス3年目、高卒10年目の今年は空振りが減り、これまで25%を越えていた三振率も16.9%まで減少。5月14日の日本ハム戦では逆転満塁本塁打と印象的な一打を放ち、ここまで打率.329、3本塁打、7打点と結果を残している。

 廣岡と同じオリックスでは高卒7年目の太田 椋天理)も覚醒中。2018年ドラフト1位でプロ入りも、故障が多く、だが、昨年は91試合、打率.288、6本塁打を記録すると、今年は開幕から大当たりし、打率.340、4本塁打、19打点とパ・リーグ打率トップを走る。

 セ・リーグに目を転じると、広島の中村 奨成広陵)が覚醒の兆し。高校時代には甲子園で6本塁打を放ち、大会記録を更新するなど、大きな注目を受けてプロ入りした。しかし、プロ入り後は苦戦。それでも、高卒8年目の今年は4月2日に一軍昇格すると、5月には出場5試合連続マルチ安打を放ち、20試合、打率.317、1本塁打、7打点。安打数(20安打)はすでにキャリアハイを更新している。

 巨人では、トレード移籍2年目の若林 楽人駒大苫小牧 - 駒澤大)がブレイクの兆し。プロ1年目には打率.278、2本塁打、10打点、20盗塁と好スタートを切っていた中で、左膝の前十字靭帯損傷の大怪我を負い、長期離脱。その後、復帰するも、低迷したシーズンが続き、巨人に途中加入した昨年は2球団合わせて46試合、打率.163に終わった。今年は開幕スタメンに抜擢されると、ここまで打率.292、3本塁打、12打点、5盗塁と好成績を残している。

 現在のパフォーマンスを継続できるか、今後の活躍にも期待したい。

※成績は5月15日終了時点