近年、大阪桐蔭履正社が先頭に立って走ってきた大阪の高校野球。そこに新たな風を吹き込んでいるのが大阪学院大高。特に2024年は大きな話題を作ってきた。

春季大会で大阪桐蔭履正社の2強を破って優勝。その名が一気に全国区に広がる。新チームも秋季大会で3位に輝き、近畿大会に出場。ベスト16入りで現在も存在感は際立っている。

課題を1つ1つ克服できる練習環境

こうした戦績があってか、取材時点で3学年115名の選手が在籍している。選手数が減少している昨今、100名を超える選手が集まるのは珍しい。超大所帯で活動しているあたりも、大阪学院大高が人気を集めているのがうかがい知れる。

しかし、人数が増えてくると難しいのは練習方法だ。公式戦に出場する選手たちは、試合に向けて練習をする。ベンチ入りの当落線上にいる選手は、背番号獲得へアピールする。だがそれ以外の選手たちが、何をモチベーションにして練習するのか。

ここでモチベーションに差が生まれる。チームの一体感を含めて、どうやって全選手に高いモチベーションを持たせるか。大所帯のチームこそ苦しむケースが多い。そのなかで、「年々意識が高まっている」と就任3年目・辻盛英一監督は、チームに起きている変化を語る。

「監督がいなくても、何もかもできるチームになって来ていると思います。なので、自然に練習が始まり、いつの間にか終わったりすることもあります。それくらい選手それぞれが課題をしっかり理解して、やるべきことを話し合って決められるチームになってきました」

大阪学院大高は指揮官・辻盛英一監督をはじめ指導者陣が10人近くと多く、指導の目は行き届くことが大きい。特にその指導者の中に動作解析を得意とするスタッフがおり、その方が選手たちに対して課題を提示。その課題をクリアしたら新たな課題へ進むように、選手たちを導いているという。だから選手たちは常に課題と向き合って、自身の成長のために練習が出来ているのだ。

社長として伝える、コミュニケーションの大切さ

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