【目次】
盗塁阻止はスーパープレーだと考えよう!
――スローイングの精度が高いと感じますが、どんなことを意識していますか。
山本:二塁までしっかりアウトに出来るスローイングをすることです。それが出来れば、時間的にはアウトに出来るはずです。
盗塁は速くても3秒前半ないし中盤で走るので、ピッチャーが1.2秒でクイックをしてくれれば、キャッチャーは2秒で投げればアウトに出来る計算です。なので盗塁阻止は、ピッチャーのクイック、二遊間が捕球してくれる。そして自分たちがタッチしやすいスローイングをするという3つの条件が必要な難しいプレーだと思っています。
ですので、盗塁を阻止すること自体がスーパープレーだと思っています。そう考えれば、刺したいという気持ちから生まれた余計な力みが無くなって、スローイングの精度が高めることが出来ると感じています。
――タッチしやすい位置へ投げていることも印象的ですが、気を付けていることはありますか。
山本:アウトに出来る可能性が一番あるのは、二塁ベースの横に投げることです。ただ仮に逸れても一塁側へ行くようにすること。また上へ浮かさずに、ワンバウンドになるように投げることは心がけています。
そのために自分の感覚では、そこに向けて投げる意識で右腕を振っています。体は開いてしまいますが、おかげでシュート回転するので、結果的に狙ったところにボールが届くようになっています。
――握り替えについても非常に素早い印象がありますが、どうしたら出来ますか。
山本:できれば真下に叩き落とす感覚です。そうすれば握り替えのミスは極力無くすことが出来るので、そういった感覚で捕球から握り替えをしています。
――握り替えがしやすいような捕球があれば、教えてください。
山本:もちろん、しっかり良いところで捕球をしなければ握り替えが出来ません。ですので、自分はウェブ下あたりに作っているポケットで捕ることで、握り替えが一番安定していてスムーズに動けます。
仮にポケットを外しても、自分はミットを縦に使っているので、自然とボールがポケットまで転がって握り替えしやすいようになっています。ですので、ミットにこだわりを持つことで、少しだけでもスローイングの性能が上がる部分はあると思います。
――こうした考えは、DeNAに入団されてから培われたのでしょうか。
山本:入団した時、「盗塁は刺したい」と思っていたので、色々考えて、勉強をしました。現在であれば相川亮二さんに教わっていますが、入団当初は2軍バッテリーコーチだった新沼慎二さんや補佐だった靍岡賢二郎さんたちと、スローイングの話を沢山させていただきました。その中で二塁ベース、逸れても一塁側へ投げるのが、一番アウトに出来る可能性があると考えています。