第16回 ドラフト高校生 野手編 「1996年世代は個性派な野手が勢揃い!」2014年10月19日
【目次】
[1] 高校生を代表するスラッガー・岡本和真・高濱祐仁
[2] 栗原、清水など個性派揃いの高校生捕手たち
内野手では桒原などの強打型野手、外野手では脇本、浅間のようなスピード系野手に注目

脇本 直人(健大高崎)
また全国制覇をした大阪桐蔭からは香月 一也(インタビュー)が志望届を提出。香月は重厚な下半身を土台に力強い打球を飛ばす中距離打者だ。
木製バットに切り替えても広角に打ち分ける柔軟な打撃を見せていた。突出したポテンシャルがあるわけではなく、すべてにおいて高い水準を見せる選手だ。鈴木 大地(千葉ロッテ)のような選手を目指していくのが理想的だろう。
佐賀県ナンバーワン遊撃手と呼ばれる山田 遙楓(佐賀工)や昨年、春夏の甲子園で本塁打を放ったスラッガー・桒原 樹(常葉菊川)、同じく今年の選抜と選手権で本塁打を放った深江 大晟(八戸学院光星)。またチームではエースだったが、俊敏なフィールディング、シュアな打撃が評価される木村 聡司(常葉橘)、パンチ力ある打撃がウリの中泉 圭祐(日大三島)、強肩がウリの遊撃手・佐藤 正尭(愛知啓成)にも注目だ。
外野手では走攻守のバランスの良い浅間 大基(横浜)(インタビュー)、走れる選手ならば、脇本 直人(健大高崎)(インタビュー)が2トップになるだろう。浅間は打球反応が良い外野守備に加え、ベースランニングの早さ、木製バットでも長打に出来る技術など、おそらく早い段階から二軍でかなり試合出場を経験する選手になっていくに違いない。全てにおいてセンスのある選手なので、高いレベルにいってもすぐに順応していきそうだ。

山下亜文(小松大谷)
脇本は浅間のようなすぐに対応するセンスの良さを持った選手ではないが、不器用に見えても、一度掴んだ技術を大きな強みにすることが出来る選手。もともとは足が速くても盗塁が苦手なようだったが、根気強く取り組み、走れる選手へと成長。そのスピードは誰にも止められないものがあった。そしてパンチ力ある打撃も魅力的だ。
他では投手として最速140キロの速球、キレのあるスライダーで押す投球を見せながら、打者としても鋭い打球を飛ばし、守備範囲の広い外野守備を見せる山下 亜文(小松大谷)、最速140キロの速球に、高校通算25本塁打を記録する強打の外野手・佐田 梨貴人(京都国際)も候補に挙がるだろう。
大学・社会人は有力な候補が少ない。また今年、高卒4年目の山田 哲人(履正社-東京ヤクルト)が今シーズン右打者最多安打を更新する193安打を記録。高卒選手が早期で活躍している現状を踏まえると、有望な高校生野手を上位で指名する球団も多くなるだろう。各球団の戦略にも注目だ。
(文=編集部 河嶋 宗一)

- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。