【メジャーへ飛び立った球界のエース“山本由伸”との比較】

 そんな今井投手の現時点の成績を、近年球界のエースとしてメジャーリーグへ挑戦した山本投手のプロ野球ラストシーズンと比較。➀防御率➁勝利数➂QS率➃奪三振率⑤WHIPの5項目を比較した。

指標
今井 達也(2025年) 
①防御率1.30、②5勝 、③QS率90.9%(11登板10試合)、④奪三振率9.43(87個)、⑤WHIP0.81
山本 由伸(2023年)
①防御率1.21、②16勝、③QS率91.3%(23登板21試合)、④奪三振率9.27(169個)、⑤WHIP 0.88。

 上記のように、現時点では➀防御率➁勝利数➂QS率/QS数では僅差で山本投手が優位。➃奪三振率⑤WHIPでは僅差で今井投手が優位という結果となった。しかし、➀防御率➂QS率➃奪三振率⑤WHIPの4項目に関しては、ほとんど同じ成績を現時点で残していることがわかる。

 シーズン後半にかけて、従来の強みである奪三振能力を活かして、パフォーマンスを落とさずに、いかに勝ち星を残していけるか。そこが課題になってくるだろう。

 完成度でこそ山本に軍配が上がるかもしれない。だが、今井の投球には“未知の伸びしろ”がある。今この瞬間も成長を続ける右腕が、今季終盤に山本超えの成績を刻んだとしても、それはもう驚きではない。

 進化を続ける獅子の右腕が、いまや“支配力”という言葉が最も似合う投手へと進化を遂げつつある。三振を奪い、ランナーを許さず、試合を支配する。そんな投球が今、パ・リーグの景色を変えようとしている。今井 達也が日本球界を制圧する日は近いのかもしれない。

文章:高校野球ドットコムインターン生 伊藤 雄大

1 2