<令和7年 春季関東地区高校野球 埼玉県大会:浦和学院5−2川越東>◇3日◇準決勝◇埼玉県営野球場
ここまで3試合続けてコールド勝ちを収めている浦和学院だが、この試合は今大会で初めて9回まで試合を行った。森大監督にとって想定していた試合展開だった。
「関東を決める試合は4季ぶり。硬さがあってこんな試合になるのではと思っていた」
川越東の先発は昨秋敗れた浦和実・石戸 颯汰投手とよく似た技巧派左腕・古沢優翔(2年)だった。
そんな中で、プロ志望の高校通算28本塁打のスラッガー・藤井 健翔(3年)がついに覚醒した。
「これまで3試合チームに得点として貢献できていなくて。昨秋から課題となっていた左投手が先発。昨秋はボール球に手を出してフライアウトが多かったので、緩い球を潰してショートの頭の上へライナーで強い打球を出そうと。初回三者凡退に終わりアレ?ってなっている所で自分がその状況を打破できる打球を打てれば」
打球はレフトスタンド後ろのネットに届く超特大弾は公式戦初となる先制ホームラン。
「正直もっと相手左腕にハマると思っていただけに大きかった。やっぱり長打力は魅力」
森監督も藤井を讃える。
浦和学院は3回にも西田 瞬(3年)の犠飛で1点を追加するも、その後は無得点。2対0で前半を終え浦和学院ベンチは円陣を組む。
「流れがあまり良くなくて。この経験が夏に活きるんだと。これまで大勝してきたけどこの試合こそ夏のためになる。6回以降守りに入ろうとしていたので仕掛けた」(森監督)
6回裏浦和学院は、玉木敬章(3年)と西田の所でランエンドヒットを仕掛け無死一、三塁。大量得点のチャンスも垣内凌(3年)の併殺の間の1点で二死無走者に。まだ嫌な流れは続いていた打席。藤井の2発目はそんな中生まれた。
「あの場面は長打を狙って良い場面だったので、ホームランではなく外野の間へ打つイメージ」(藤井)
嫌な流れを払拭する価値あるダメ押しの一発となった。
投げては吉井 蓮太郎(3年)が8回途中2失点。ただし吉井には
「今大会一番安定しているのは吉井なので吉井で行ける所まで行くぞと伝えてあって。7回にピンチを作って、これじゃ完投できないと喝を入れた。7回で100球。本来ならば代える所でしたけど、彼のため夏のことを考え続投させたが案の定8回にやられた」(森監督)
と、右のエースに注文をつける事も忘れなかった。
8回表に川越東の反撃を受け下田琉惺(3年)の適時打で2点を失うもその後のピンチは2番手・伊藤漣(2年)が凌ぐ。
結局、8回裏にも押し出しで1点を追加した浦和学院が5対2で川越東を退け関東大会進出を決めた。
今大会は打線が好調。投手陣も吉井が台頭し厚みが増した。
「今年のチームは体が大きい子が多いので従来と逆で冬場は体を作るのではなく体を絞った。その結果、今日もノーエラー」と、森監督も冬場の成果を語る。
「主にポール間ダッシュなどの走り込みや食事、トレーニングで105kgから95kgに絞った」
と、藤井はもちろん、他の選手も体を絞った結果、攻守共にキレが増した。そんな中で掴んだ関東の切符。
「まず埼玉で優勝して第1シードを取ること。もう少し序盤から足を絡めつつ攻めていきたい」(森監督)
と、浦和学院がまた次の目標へ動き出した。
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