<春季高校野球静岡県大会:静岡商4ー3加藤学園>◇26日◇3回戦◇静岡草薙球場
春季県大会2連覇を果たしている加藤学園。しかし、昨秋は一次予選の初戦で敗れて、県大会進出を逃している。悔しさを胸に一冬を過ごしたが、春は一次予選の代表決定戦で沼津商に敗れて、敗者復活戦へまわった。そこから何とか盛り返して県大会進出を果たし、県大会でも島田工、浜松工を下して3回戦まで進出。夏のシード権を確保した。
静岡商は、戦前から県内の高校野球を引っ張ってきた存在。昨夏も昨秋もベスト8に残り、結果を残してきている。近年でも、安定した力を示している存在だ。
言うならば、東部地区の新鋭躍進校と中部地区の伝統校の対決でもある。
加藤学園は最速149キロも記録したという評判の山田 晃太郎投手(3年)が少ない得点を固い守りでしっかりキープしていくというスタイルでの勝ちパターンである。
加藤学園は、初回に4番の杉山 大悟選手(3年)のタイムリーで先制されるが、2回に3安打を集中。静岡商の先発・山崎 功太投手(3年)を攻めて、米山 学監督の長男・米山 慶選手(3年)の左前2点打で逆転する。
加藤学園は序盤、やや苦しんでいた山田投手が4回からは7回まで3者凡退として、本来の投球を取り戻してきた。試合の流れとしては、そのままリードをキープし逃げ切りそうな雰囲気でもあった。
静岡商も逆転された2回二死一塁からリリーフ登板した山本 敢生投手(3年)が代わりばなに四球こそ与えたものの、その後は好投。7回までは試合が膠着した形となった。
8回に試合は動いて、一死から振り逃げと連打で満塁となり、3番山野 仁綺選手(3年)の内野ゴロは併殺かと思われたが、送球ミスが出て同点。四球もあって、一死満塁となった。この場面で5番宮腰 龍太郎選手(3年)が一塁線へスクイズを決めて、これが決勝点となった。決勝点をスクイズで決めるというのは、いかにも静岡商らしい野球で、伝統は継承されていると感じた場面だった。
厳しい戦いでの勝利だったが、静岡商の曲田 雄三監督は、「選手たちはよく頑張ったと思う。140キロを超える速球に対しては、低めには手を出さないで見逃し三振OKなど、この1週間で選手たちと様々な約束事を作ってきました。3点を許して逆転され、約束を見失いそうになったところで、山本がいいリズムを作り、8回にもう一度思い出してくれました」と話した。また「宮腰が厳しい場面でしっかりとスクイズを決めてくれたのは大きい。やることをきちんとやって、信じていけば活路は開ける」と、再認識していた。
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