<令和7年 春季関東地区高校野球 埼玉県大会:聖望学園4-1浦和実>◇26日◇1回戦◇県営大宮球場
春季埼玉県大会は序盤から荒れ模様。25日、昌平が敗れ迎えた26日、石戸 颯汰(3年)を擁してセンバツベスト4の浦和実が登場。辻川正彦監督は石戸の状態についてこう語る。
「痛みとかではないが、センバツの疲れもあり肩、肘、首、腰、全体的に投げられるコンディションが整っていない。センバツ以降1イニングも放っていない。復帰はGW明け」
今大会はベンチ入りメンバーから外れている。石戸抜きでどこまでできるのか?というのが今大会の浦和実のテーマ。ただし、相手は昨秋ベスト16で3対1と接戦の末、勝利した聖望学園。先発は背番号17の角國純也(3年)。先発が駒木根 琉空(3年)でもなかったことについて辻川監督は
「夏を見据え石戸、駒木根に続く投手を育てなければ。2枚看板に頼り過ぎはダメ」と
打たれるリスクを承知で起用した。
試合は序盤から聖望学園ペースだった
角國は先頭の近藤翼(3年)に二塁打を浴びるなど無死一、二塁で大羽達也(3年)の送りバントを一塁へ悪送球を放り、無死満塁。その後併殺の間と、毛利祐斗(3年)にの適時打で早速2点を許す。
角國は3回にも近藤、大羽に二塁打2本を浴び3点差をつけられ、今大会エースの駒木根へマウンドを譲った。駒木根は流石の出来で、その後6回2/3を1失点で切り抜ける。但し、毎回のようにヒットは浴びており、流れを持ってくる投球とまでには至らない。
狂った歯車は簡単には直らない。投手陣の乱れは打線にも影響し、元々万全ではなかった山根大智(3年)は途中交代し、代わりに出場した田谷野 巽生(3年)はノーヒット。
それでも1番・齋藤 颯樹(3年)、2番・佐々木悠里(3年)の上位は共に三度出塁し、3回裏、一死一、二塁、5回裏、無死一、三塁、7回裏一死一、三塁と再三のチャンスメイクをするが、この日は後続が続かない。センバツで披露した集中打は影を潜めた。
結果、相手の5失策も活かせず、6回以外毎回走者は出すが、打線が最後まで聖望学園・中村紀翔(3年)を捉えられず、僅か5安打、内野ゴロの間の1点で終わった。
「中村投手は随所に良い球は来ていたけど、こういう展開になっちゃうとどうしようもない。普通にできれば思っていたが、普通にできなかったのが全て。うちがあまりにもダメすぎた。今日が一番ダメなゲーム。石戸がいればではダメ」
辻川監督もお手上げの状態であった。
結局、1対4で聖望学園に痛恨の敗戦。1勝すれば最低限のシードは取れる状況であったが、ノーシードで夏を迎えることとなった。
「ツノ(角國)は練習試合で良くて3回2点で行ってくれればと思っていたんだけど、3点目が余計。初回があまりにも酷すぎた」
初回の失点が響く形となった。
辻川監督が信頼する主将の小野 蓮(3年)は大会前のチームの雰囲気に危機感を感じていた。
「雰囲気が悪いです。単純に緩み、奢りが日々の練習態度から出てしまった。団体行動ができていなくて、チーム全体が同じ方向を向けていないというのは正直ずっと感じていて、一回厳しい言葉をかけました。次の日から変化はあったが、自分が言う前にやって欲しかった。もっと早く言えば良かった。その時正直春は厳しいなと思っていて、その通りの結果になった。納得です。石戸頼りでは勝てない。言い訳にはならない。それ以外のメンバーで勝たなければならないトーナメントだったが。周りから見たら石戸が投げないと勝てないという評価になってしまうのが悔しい。ここからどう変わっていけるか」
ノーシードで夏を迎えることが決まった浦和実。今大会のテーマであった、2枚看板頼り脱却には至らず。3人目の投手確立は夏の大会ぶっつけ本番になりそうだ。
主将・小野を中心にいま一度チャレンジャー精神を取り戻すことはできるか。この敗戦を糧に夏もセンバツで見せた快進撃再びに期待したい。
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