<春季愛知県優勝大会:誠信3―0小牧南>◇20日◇2回戦◇小牧市民球場
一昨年秋に大躍進をして、ベスト4に進出、21世紀枠の県推薦校にもなった小牧南。昨秋は県大会進出はならなかったが、この春はしっかりと尾張地区一次予選を勝ち上がり、二次トーナメントでも滝、一宮西に大勝して県大会出場を決めた。県大会でも、初戦で豊田北を4対1で下しての2回戦である。一昨年秋の躍進の原動力だった江原 涼太投手(3年)が、チームに残っているのも大きい。もっとも、この日は背番号11の岡田 真弥投手(2年)が先発マウンドに立った。
吉田 将人監督は、「別に奇をてらったということもなく、ただ単に現在の調子という点で、岡田先発を決めた」ということだ。元々、現3年生世代は、江原投手以外は試合に出ていた選手もほとんどいなかったため、昨秋は経験不足もあっての敗退だった。
そんな中で、現在2年生となった下級生たちが、上級生の尻を叩くかのようにして追い上げてきた。そして、そんな下級生の頑張りを刺激として、一冬越えていく中で、江原選手はもちろん、それ以外の上級生たちも、「負けないぞ」という意欲を示して徐々に成長してきたという。こうした切磋琢磨が、チームを成長させていった。
その小牧南に対するのが、同じ尾張地区で、2位校となった誠信だ。今春の二次トーナメントでは愛知黎明、愛知啓成を下した新川に勝って決勝進出を果たした。決勝では、誉に敗れたものの2位校としてシード権を得て、この日が県大会初戦となっている。昨年から投げている武政 楓生投手(3年)が安定しており、今年は一波乱起こせるだけの力も十分にある。この試合でも、武政投手は先発マウンドを任された。
岡田投手と武政投手の投手戦となった試合。スコアボードには8回まで両チームに0が並んだ。ここまで誠信は単発の6安打。三塁へ進められたのは7回のみ。小牧南も、初回と4回には長打が出て、6回にも無死からの連打とバントで一死二、三塁という好機も作っていた。しかし、武政投手の冷静な投球に封じ込まれた。武政投手はピンチでも冷静で、焦ることなくきちんと投げ込んでいく。なかなか味方が点を獲ってくれないにもかかわらず、それに対して焦れることはない様子だった。
そんな中、9回に誠信は一死から6番山口 櫂選手(3年)が左越二塁打を放つ。チーム初の長打だった。続く、高木 冠辰選手(3年)がしぶとく中前へはじき返してこれで二走が帰り、ついに均衡を破った。さらに、9番武政投手自らも左中間へポトリと落とす二塁打で2点目。1番大西 空翔選手(3年)も右越三塁打して、一気に3点を奪った。
試合の流れとしては大きな3点だったがその裏、小牧南は一死から四球と失策後に内野 桜晴選手(2年)の安打で、満塁とした。そして、打席は、9回最後の打者を1球で仕留めるリリーフをしていた江原投手だ。緊張の場面だったが、ここは武政投手が投げ勝ち、次打者も打ち取り、武政投手は5安打完封という見事な内容だった。
澤田英二監督は、「苦しい試合でした。岡田投手の先発は意表を突かれたところがあったのですけれども、打ちあぐんでしまっていました。きわどいところを上手にストライクを入れてくる投球でした。武政は、今日は4四球ですけれども、本来はもっと制球はいいと思っています。それでも、こうして次も公式戦があることは、夏へ向けては大きいです」と、勝利に安堵しつつ、さらに先を見据えていた。
大善戦だった小牧南、吉田監督は「今日の戦いは、夏へ向けては、さらに伸びしろを感じさせてくれるものになったかなとは思う」と、敗戦からも、光明を見出していた。そして、「2年生の多いチームになっていますが、彼らが頑張ることで、3年生にも刺激になっていくでしょう」と、チーム内のさらなる切磋琢磨も期待していた。
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