怪我でブレイクを逃したプロ6年間。7年目は全盛期のきっかけになる1年を
野村選手のプロ生活は怪我が非常に多かった6年間でした。
1年目は二軍で75試合、打率.245、5本塁打、32打点と高卒1年目の野手として優秀な成績を残しますが、シーズン後半に左股関節後方亜脱臼で全治5ヶ月。復帰後は持ち前の打撃技術の高さで2年目ながら開幕戦から8番サードでスタメン出場。2年目も守備の際に打球の処理を誤り、右手の小指を骨折し、長期離脱となり、一軍21試合で3本塁打。その後も故障が続きますが、プロ5年目の23年に125試合出場で初めて規定打席に到達し、13本塁打を記録。ようやくブレイクの兆しが見えました。
しかし昨年は不調に陥り、56試合で2本塁打、9打点、打率.210に終わり、かなり厳しい立場に立たされました。
そんな野村選手は昨年11月末の日本ハムのファンフェスティバルで新庄監督から4番を任されることを告げられました。発表の瞬間に大歓声が起こり、野村選手は「一度指名(23年)されて結果を残せていないので、来年は圧倒的な成績を残して日本一になります」と宣言しました。指名された時の歓声の大きさでどれだけファンに期待されているのかが伺えました。
今季開幕4番を任された野村選手。開幕戦は4打数0安打に終わり、第2戦も5打数1安打となかなか結果は残せていませんでしたが、3戦目で2打席連続本塁打を放ち、計3安打6打点の活躍で勝利に貢献しました。本拠地開幕戦となった1日のソフトバンク戦ではモイネロ投手から2試合連続本塁打を放ち、その後も43打数10安打、3本塁打9打点ですが、得点圏打率.385、ОPS.824と強打者として及第点を与えられる数字を残しています。速球、変化球にしっかりと食らいついており、打席数をもっと重ねれば本領発揮する可能性があります。
現状は同世代を一歩リードする程度ですが、圧倒的にリードできる選手になれるかは、2今年から30歳になるまでの5年間が勝負だと思います。過去の一流打者も苦しい下積みがありながらも、20代後半で全盛期を迎えています。
野村選手の25年シーズンは全盛期の始まりになるのか、注目したいと思います。