試合レポート

大阪桐蔭vs東海大菅生

2023.03.29

「王者」らしい集中打で因縁の対決に勝利、大阪桐蔭エース前田は自己最速147キロマーク

大阪桐蔭vs東海大菅生 | 高校野球ドットコム
前田 悠伍(大阪桐蔭)

<センバツ高校野球:大阪桐蔭6ー1東海大菅生>◇29日◇準々決勝

 史上初の春センバツ2度目の連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)と、昨年秋東京王者の東海大菅生(東京)の激突。21年夏甲子園で対決したときに雨でぬかるんだコンディションのなか、互いに好ゲームを演じながら降雨コールドで大阪桐蔭が勝利した。継続試合実現に向けた議論が湧き上がったきっかけにもなった因縁の対決の再現。この日は晴れ渡る好天の中で行われたが、大阪桐蔭が再び勝利した。

 東海大菅生は大黒柱の右腕エース・日當 直喜投手(3年)ではなく、末吉 陽輝投手(3年)を先発に起用した。連投になる日當の疲労を考慮したが、大阪桐蔭はようやく「らしい」攻撃を見せる。1回、2回と安打を放って得点のチャンスを作った。得点にはならなかったが、今大会調子が上がらない打線が、各打者とも積極的にスイングしていた。

 その姿勢は3回に実る。東海大菅生の2番手・島袋 俐輝投手(3年)を攻め、無死満塁のチャンスから4番・南川 幸輝捕手(3年)が態勢を崩されながら、ほぼ右手1本でフォークボールをさばいて右前へ2点適時打をマーク。エース日當をマウンドに引きずり出し、その日當からも犠飛と適時打で2点を追加した。「王者」らしい鮮やかな集中打だった。

 5回には5番佐藤 夢樹内野手(3年)がセンターバックスクリーンへのソロで1点を追加した。外角低めの難しい直球をリストの強さを生かした打撃で運んだ豪快な1発。佐藤にとってはうれしい甲子園初安打がバックスクリーン弾となった。

 大阪桐蔭先発の前田 悠伍投手(3年)は初戦に次いで2度目の完投勝利を挙げた。切れのある直球に、スライダー、チェンジアップを丁寧に低めに集めた。時折ギアを入れた直球を見せ、自己最速となる147キロをマークするなど、2ケタ11奪三振無四球1失点の好投だった。大阪桐蔭は昨年に続いてベスト4。史上初2度目の春連覇の偉業へ、マジック2とした。

 東海大菅生の日當は6回を投げて2失点だったが、イニングを上回る7奪三振をマークした。自慢のフォークボールで大阪桐蔭打線に立ち向かった成果を自信に、夏に向けてさらにレベルアップした投球を期待したい。

(記事=浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2023.12.04

【トレーニング特集】目指せ冬場のレベルアップ! 編集部オススメ10の方法!

2023.12.04

【大学野球卒業生進路一覧】 2023年の大学野球を盛り上げた4年生たちの進路は?

2023.12.05

【12月16日に開催!】NPBとメジャーで100名以上のトレーニングを指導! 凄腕トレーナーによる速球とスイングスピードを上げるセミナーを開催!!

2023.12.04

DeNA・神里の弟・神里陸(國學院大)が決意表明!「プロに入るためには、来春のリーグ戦が勝負」

2023.12.04

あの抱擁は苦難を乗り越えた男の成長の証だった【2023年神奈川県・高校野球ベストシーン】

2023.12.04

【トレーニング特集】目指せ冬場のレベルアップ! 編集部オススメ10の方法!

2023.12.02

【一覧】2023年 プロ野球 引退・退団・戦力外選手リスト

2023.12.02

ドラフト3球団競合・高橋純平が引退!2015年ドラ1たち「8年後の明暗」、 メジャーリーガーからスカウト、軟式に転向した選手など多種多様

2023.11.30

2020年阪神ドラフトが早くも「伝説」レベル!MVP・新人王に3年連続20本塁打のスラッガーが誕生

2023.12.03

センバツ21世紀枠推薦校予想】九州は全国屈指の進学校か連合チームか、困難極める選考に

2023.12.04

【トレーニング特集】目指せ冬場のレベルアップ! 編集部オススメ10の方法!

2023.12.02

【一覧】2023年 プロ野球 引退・退団・戦力外選手リスト

2023.11.11

決勝は国分中央VS神村学園

2023.11.12

2度の指名漏れ 悔しさをぶつけた久保田拓真の3ラン!パナソニックが快勝!<社会人日本選手権>

2023.11.14

大学準硬式が生んだ剛腕・道崎亮太、甲子園で圧倒的な投球を見せて、拓けるか「プロへの扉」<大学準硬式甲子園大会開幕>