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根尾昂はやはりすごい!? 投手転向3年で開幕ローテへ 原点となった少年時代「雪しかなかったから」【主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』vol.10】

2024.03.12


大阪桐蔭時代の根尾昴

野手としてプロ入りも、小学校時代で作ってきた投球フォームの基礎は生きている

その後の根尾選手は投手よりも野手として脚光を浴びるようになります。高校2年秋の公式戦では5本塁打、3年夏の甲子園では3本塁打を記録します。世代を代表する遊撃手として評価され、2018年のドラフトでは中日、日本ハム、巨人、ヤクルトの4球団の競合の末、中日が交渉権を獲得し、地元球団の入団が決まりました。

入団当初は遊撃手として活躍を目指しましたが、入団4年目までの打撃成績は132試合、1本塁打、20打点、40安打と競合ドラ1に相応しい実績は残せませんでした。

4年目の途中に投手に転向。いきなり一軍25試合登板で、29回を投げ、22奪三振、防御率3.41の好成績を残します。

ブランクが4年もある中、ここまで順応できたのは、小学校時代からスキーを通じて作り上げてきた投球フォームの基礎がプロでも通用するものだったこと。
そして、野手として注目されながらも、高校3年まで投手の練習を続けていたことが大きかったと思います。高校3年時には最終的に150キロをマークしました。

5年目から一軍の先発投手として活躍できるスキルを身につけるために二軍中心の生活。23試合に登板し、76回を投げ、防御率3.43。シーズン終盤に一軍昇格し9月18日の広島戦では6.2回を投げ、自責点0の好投。勝ち投手の権利を手にして降板しました。その後、追いつかれて勝利とはなりませんでしたが、二軍での下積みが生きているように感じました。

そして6年目を迎えた今シーズンは期待をもたせる内容を残しています。3月9日の広島戦では5.2回を投げて、2失点(自責点0)、6奪三振の好投。140キロ中盤の速球、130キロ前半のカットボール、フォーク、110キロ台のカーブをうまく投げ分ける投球が光っています。

ぜひ開幕ローテーション入りし、競合ドラ1に相応しい成績を残すことを期待しています。

大阪桐蔭時代の根尾 昴

*『主筆・河嶋宗一コラム グラカン!』は毎週日曜配信します。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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