Column

成績に明暗が分かれたU-18代表投手陣。米国、韓国に通用するキーマンは?

2022.09.15

成績に明暗が分かれたU-18代表投手陣。米国、韓国に通用するキーマンは? | 高校野球ドットコム

成績に明暗が分かれたU-18代表投手陣。米国、韓国に通用するキーマンは? | 高校野球ドットコム野手編はこちら
U-18代表野手は浅野、松尾がやはり中心…。スーパーラウンドでは接戦を勝ち抜く野球ができるか?

成績に明暗が分かれたU-18代表投手陣。米国、韓国に通用するキーマンは? | 高校野球ドットコムメンバー一覧
U-18代表20名が発表!今年の高校野球の顔や、世代屈指のスラッガー、高校生No.1捕手が選出!

成績に明暗が分かれたU-18代表投手陣。米国、韓国に通用するキーマンは? | 高校野球ドットコム関連記事
高校生No.1右腕・山田陽翔、本格派、技巧派揃いのU-18代表投手陣8名を徹底紹介!
松尾、渡部、野田と今年のU-18代表捕手3名は全国大会経験豊富!守備の要として活躍できるか?
U-18代表の内野手6名は好打者揃い!木製バットへの順応が早そうな打者たちも!
浅野、海老根などU-18代表外野手4名の守備力は、歴代トップレベル!浅野はスラッガーに相応しい活躍を見せることができるか?

 米国・フロリダで行われている第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに出場している高校日本代表は、オープニングラウンドを4勝1敗で終えた。今年の高校日本代表の強みは投手陣であるはずだ。オープニングラウンドでは良いところも悪いところも全て出た。改めて振り返っていきたい。

【投手】7名
吉村 優聖歩明徳義塾)2試合 防御率2.33
森本 哲星市立船橋)1試合 防御率2.80
山田 陽翔近江)1試合 防御率7.00
川原 嗣貴大阪桐蔭)2試合 防御率0.00
香西 一希九州国際大付)2試合 防御率3.71
宮原 明弥(長崎海星)2試合 防御率4.85
生盛 亜勇太興南)2試合 防御率0.00
【捕手】
野田海人九州国際大付)3試合 防御率0.00

 最も安定感があるのが生盛。躍動感のあるフォームから繰り出す140キロ中盤の速球に、切れ味鋭い縦変化、横変化の球を投げ込み、5回8奪三振。オーストラリア戦では最速150キロをマークした。

 川原も防御率0.00の快投を見せており、5回を投げ7奪三振。オーストラリア戦で最速150キロをマークし、球の勢いはかなり良い状態だ。145キロ以上の速球に、縦変化、カットボールを使える投手は国際大会に強い。

 技巧派左腕・香西は台湾相手に苦しんだ。日本の高校野球では制球力が良い左腕は重宝されるが、やはり常時120キロ台の直球では強豪国相手だと悠然と見逃されてしまう。香西のような左腕はこれまで振り返っても選ばれやすい傾向にあるが、どういう相手にならば通用するか検証する必要があるかもしれない。また、140キロ台を連発していた宮原も135キロ前後と疲労が見える。

 吉村は独特の左サイドで特徴があり、ここまでの2試合は持ち味を発揮しており、強豪国相手にも重宝されそうだ。

 森本はパナマ戦で粘り強い投球を見せた。スーパーラウンドでも、先発として期待できそうだが、個人的にはリリーフでキレキレの直球とスライダーで圧倒する投球を期待したい。

 ここまでの戦いで素晴らしい働きを見せているのは野田。3試合防御率0.00の数字以上に、投手陣に負担がかからないような状態となっているのは、野田のおかげといっていい。

 今後の国際大会でも、強豪国の対戦のみエース格の投手を投げさせたい。点差がついたときに野田のようにリリーフができる野手の存在はとても貴重で今後の投手選考の鍵になるはず。

 山田は接戦でのリード時がパナマ戦しかなく、オープニングラウンドの登板は1試合のみだった。意気を感じて投げるタイプなので、これから負けが1つも許されないなか、ロングリリーフも辞さないぐらいの起用でもいいと考える。山田で崩れたら、諦めがつく。それぐらい山田の存在は大きい。復調すれば、山田を打てるチームはそれほどないと考える。

 米国、韓国相手では、先発枠で、生盛、川原。リリーフで吉村、そしてクローザー、もしくはロングリリーフで山田が鍵となるだろう。

 最後までハラハラする試合展開を期待したい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.01

【岩手】盛岡大附、一関学院などが県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける