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森木、風間、小園のBIG3だけではない!プロでの活躍が楽しみな9人の超高校級右腕たち

2021.09.29

森木、風間、小園のBIG3だけではない!プロでの活躍が楽しみな9人の超高校級右腕たち | 高校野球ドットコム

 プロ志望届けが締め切りとなり、高校生は159名となった。

 ドラフト候補を見る上で大事なのは各ポジションをカテゴライズ化して、さらにランク付けをしていくことだ。まずは競争が激しい右投手だ。今回は超高校級右腕と呼べる9人の投手たちを紹介したい。

BIG3の凄さとは?

森木、風間、小園のBIG3だけではない!プロでの活躍が楽しみな9人の超高校級右腕たち | 高校野球ドットコム
小園 健太(市立和歌山)、 風間 球打(明桜)、森木 大智(高知)

 今年は高校生BIG3が風間 球打明桜)、森木 大智高知)、小園 健太市立和歌山)の3人だといわれている。実力的に見て、ほぼ間違いないだろう。

 最速157キロ右腕の風間は高校生どころか、大学・社会人・独立含めてもNO.1と呼べるほどのストレートの圧力がある。平均球速140キロ後半の速球、スライダー、フォーク、カーブを操り、どの球種も精度が高い。フォーム的に力みやすい傾向にあり、結構ばらつきが激しい投手で、スカウトの好みが分かれるタイプだが、ポテンシャル的には球界を背負って立つ逸材であることは間違いない。

 森木は中学時代に150キロを計測。中学時代から飛び抜けたパフォーマンスを持った逸材を高校3年間で引き伸ばすのは至難な業。今年の投球を見れば、森木は目的意識を持って取り組んできたのが分かる。最速154キロの速球、切れのあるカーブ、スライダー、フォークを操り、まとめていく姿はやはり世代トップクラス。投球フォームの完成度が高く、常に注目されながら、自己研鑽できたメンタルの強さがある。やはり世代NO.1といっていい。

 小園はセンバツと比べてアベレージのスピードが高まっており、常時140キロ中盤の速球、カットボール、フォークと多彩な変化球を操り、翻弄する投球は高校生レベルを超えている。プロでも早く台頭するにはストレートのレベルアップ、縦系、緩急を使えた投球がよりできると、3年目には先発ローテーションに入っている投手だといえる。

[page_break:BIG3に追随する6投手の凄さとは]

BIG3に追随する6投手の凄さとは

森木、風間、小園のBIG3だけではない!プロでの活躍が楽しみな9人の超高校級右腕たち | 高校野球ドットコム
深沢 鳳介(専大松戸)、寺嶋 大希(愛工大名電)、竹山 日向(享栄)、畔柳 亨丞(中京大中京)、達 孝太(天理)、市川 祐(関東一)

 今年の高校生右投手はこの3人に匹敵する投手が多いのもこの世代の特徴だ。ストレートの伸びに関しては151キロ右腕・竹山 日向享栄)は、NO.1ではないか?と思わせるほどの伸びがある。リリーフでは常に140キロ後半の速球を投げ込み、わかっていても打てないストレートを投げ込んでいる。カーブの精度もよく、3年後には多くの人に脚光を浴びる投手になっているに違いない。名将・大藤監督は「成長度でいったら、歴代の投手でNO.1」と絶賛するほどの努力家。練習を見ても体幹トレーニングなど自分に必要なトレーニングを黙々とやり続けていた。

 達 孝太天理)の人気も高い。高校の指導者の方とドラフト的な雑談をすると、達を絶賛する声が多いのだ。まず何がいいかといえば、190センチを超える長身でありながら、バランスがよい投球フォームをしていることだろう。軽いキャッチボールでも球筋がよく、この3年間で心身ともに鍛え上げてきたのが分かる。140キロ後半の速球に加え、130キロ前後の鋭いフォーク。コントロールがよいパワーピッチャーになる要素が備わっているのだ。

 畔柳 亨丞中京大中京)は、伸びのある150キロ前後の速球は威力抜群。スライダー、チェンジアップの精度は悪くないが、投球スタイル的に、リリーフ向きか。小手先よりも、畔柳の持ち味である全力投球を発揮できるポジションで大成してほしい投手だ。

 今年の愛知は竹山、畔柳など好投手が本当に多かったが、一番バランスが良いのが、寺嶋 大希愛工大名電)だ。フォームのバランス、回転数の高いストレート、多彩な変化球を投げ分ける投球センスと、欠点が少ない。名将・倉野監督も「冬場に入ってからの取り組みが凄かったです。トレーニングに対する知識、取り組みがすごくて、入学からかなり球速は伸びました」と成長ぶりを称える。そして倉野監督はまだ発展途上で、全盛期はこれからと分析する。

「確かに身体は大きくなりましたが、一般的に見れば、まだ細いほうで、全体的に見れば発展途上です。25歳ぐらいまでもっと良くなると思っています」

 進化系がどんな投手になるのか、楽しみだ。

 そしてストレートの球質、変化球の精度でいったら市川祐関東一)も入るだろう。東東京大会準決勝で見せた常時140キロ後半〜152キロのストレートは掛け値なしに素晴らしかった。スライダー、ツーシームと変化球の精度も抜群。米澤監督は関東大会で勝つ投球ができる投手だが、あとはプロにいけるポテンシャルを発揮できるかがポイントと語っていた。指揮官の期待通り、ストレートのボリュームが出てきて、なおかつ投球センスも良い。夏の甲子園に出ていないからあまり話題となっていないが、相対的に見てやはりトップレベルの投手であることは間違いない。

 また、右サイド枠として深沢鳳介専大松戸)も右の速球派が多い中、明確に差別化できる逸材。公式戦8完封しているように、140キロ前半のストレートを左打者相手にも強気に内角攻めができて、スライダー、シンカー。そしてこの投げ方でカーブで三振が取れる。投球センスがずば抜けていて、名将・持丸監督もその思考力の高さを評価する。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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