試合レポート

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.06


生田目奏(花咲徳栄)

<春季埼玉県高校野球大会:花咲徳栄20-6昌平>◇5日◇決勝◇県営大宮

優勝候補筆頭の花咲徳栄 vs 昌平という共にAシード、東部地区同士のライバルチームの一戦。昨秋も決勝でぶつかり、その時は花咲徳栄昌平に8対5で勝利したが今回はどうか。

先発は花咲徳栄が左腕の額川 康一(3年)、一方の昌平は「スタッフと話し合って色々な願いを込めて先発させました」(岩崎監督)と、公式戦初先発の192cm100kgの2年生長身右腕・東川 一真が登板し試合が始まる。

試合は現時点での完成度の高さが浮き彫りとなった試合となった。

先制したのは花咲徳栄であった。

花咲徳栄は初回、昌平・東川の立ち上がりを攻め一死から目黒 亜門(3年)が四球を選び出塁すると、続く生田目 奏(3年)とのエンドランで一死一、三塁とする。さらに4番・石塚 裕惺(3年)の打球がファーストへの内野安打となり一死満塁とチャンスを広げると、続く田島 蓮夢(2年)の押し出し死球により花咲徳栄が1点を先制する。

花咲徳栄は2回表、一死満塁から内野ゴロの間に1点を追加すると、昌平もその裏、一死二塁から三振振逃の間に二走・園田 耀大(3年)が一気に本塁を奪い2対1とする。

花咲徳栄は3回表にも横山 翔也(3年)、田端 太貴(3年)、額川の三連打で一死満塁とし、9番・阿部 航大(3年)のセンター前タイムリーとセンターが後逸する間に二走・田端も生還しまず2点、続く齋藤 聖斗(3年)もきっちりと犠飛を放ち5対1とする。

昌平ベンチは4回から2番手に大橋 洸聖(3年)をマウンドへ送るが、これが誤算であった。

花咲徳栄はこの回先頭の目黒がレフト前ヒットを放ち出塁すると、続く生田目のショートゴロが相手エラーを誘い無死一、二塁、4番・石塚もショートへの内野安打で無死満塁とチャンスが広がる。ここで5番・田島、6番・横山が連続タイムリーを放つと、さらに続く田端が押し出し四球を選び3点を追加する。

昌平は大橋が一死も取れずに降板すると、代わった3番手・木下 雅斗(2年)も流れを止められない。

花咲徳栄は攻撃の手を一切緩めず、1番・齋藤のライト越え2点タイムリー二塁打と3番・生田目のタイムリーに押し出し四死球3つを絡めさらに5点を追加し13対1とする。

たまらず、昌平も4番手にエース級の佐藤 立羽(3年)を送るが、花咲徳栄昌平・佐藤立の代わり端を攻め、5番・田島、6番・横山が連続タイムリーを放つなど、4回表に一挙10得点を奪うビッグイニングを作り15対1とする。

このままでは終われない昌平もその裏、8番・諏江 武尊(2年)のレフト越えの二塁打を足がかりとし白坂 寛(3年)、大槻 真広(3年)、山根 大翔(3年)、櫻井 ユウヤ(2年)の4連打で3点を返すが、花咲徳栄は5回表にも生田目のタイムリーで1点を加えると、7回表には一死満塁で5番・田島が走者一掃となるセンター越えタイムリー二塁打を放つ。続く横山も一塁線を破るタイムリー二塁打を放つなど、この回さらに4点を加え20点の大台に乗せる。

昌平もその裏、この回先頭園田の2試合連発となるソロ本塁打を足がかりとし、畑田、佐久間の連続長打などで2点を返すが、反撃もここまで。

結局、花咲徳栄が23安打20得点を奪い昌平に20対6と大勝し13年ぶりの春季大会優勝を飾った。

試合後、岩井監督は「13年もよく空いたなあ」と春制覇に苦笑い。例年通り春は投手以外ノーバント。打撃だけでどこまで勝ち上がれるかという縛りを設けた戦いながら優勝を飾った。
「今大会は熊谷商業戦がターニングポイント。前の2試合で大味になったので熊谷商業戦後に確認と修正をさせました。それが準決勝に活きた。夏を見据えるといかに精神的にプレッシャーを与えるために、集団で芯で捉えられる怖さを相手に植え付けることが大事だと思うので。遠くへ飛ばす怖さというのは本塁打しかないけれど、連続で来られるとビッグイニングになりやすい。途切れないことが大事。アウトになっちゃダメっていつも言っているので。ランナー二塁の時は石塚であろうが反対方向へ打つ。今大会は三振が少し多いことと投手陣で完封がなかったことが修正点。甲子園で勝つことを求められているので関東大会で県外の強いチームとやれることは良い経験」
と、夏へ向け先を見据えていた。

一方の昌平の岩崎監督は開口一番、「今日はGWにせっかく見にきてもらっている方々に申し訳ない」と、謝罪した。ただし、先発の東川はこの日うまくいかなかったが、192cm100kgの恵まれた体格、未完成ながら最速138キロの速球を投げ込む潜在能力の高さは魅力十分。夏の大会でベンチ入りできるか不透明だが秋以降はエース候補であろう。
「今日直球はある程度投げられたんですが変化球が決まらなかった。監督には初回から全力で行けと。決勝でも楽しめたんですが、相手は全体的に当てるのが上手いので。佐藤さんにピッチングを教えてもらった。もっとボールの強さや精度を上げたい。今日は自分の実力が足りなかった」(東川)
と、反省しきりであった。だが、その責任は岩崎監督が背負う。
「東川はスタッフと話し合って色々な願いを込めて先発させました。先も楽しみな選手なんですけど、この悔しい経験を練習に落とし込んで欲しい。2番手、3番手ももう少し踏ん張ってくれるかなと思っていたんですが。打線も今日ヒットは出ましたが、この展開だと参考にならない。背負うと結果が出ないではダメ。旧チームの齋藤(現・中央大)のように背負える人間に出てきてほしい」と、岩崎監督はこの日の大敗にはサバサバも関東大会へ向け主力選手へ改めて奮起を促していた。

花咲徳栄の13年ぶり春制覇で終えた今大会、地区予選からプロ注目・冨士 大和擁する大宮東やポテンシャルの高い聖望学園川口市立がシード漏れ。いわゆるノーシード爆弾となる。優勝候補・浦和学院や公立の雄・上尾がベスト16で敗れたことはちょっとした波乱要素であった。なお、夏のシードを取ったのは東部3、西部5、南部4、北部3とやや西部(特に川越市勢4)が優勢であった。

昨秋から継続して伺ってきた低反発バットについて地区予選など大会序盤はなかなか本塁打が出ない印象であったが、上位シード校はフェンスの高い県営大宮球場でも本塁打が飛び出す全く遜色ない結果となった。センバツでも本塁打の少なさが話題に上がったが、例年春先は本塁打は少ない。夏はどこも打撃面を仕上げてくる。おそらく今年も例年通り本塁打が飛び交う夏の球宴となるであろう。

最後に今大会も大きな問題なく大会を終えることができた。高野連の方々含め運営に関わった全ての方々へ感謝を。夏へと続く。

この記事の執筆者: 南 英博

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