Column

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30


挟殺プレーの練習模様

激戦区の大阪府で存在感を示している公立進学校が三国丘だ。創部120年を超える伝統校で、1934年と1984年の春には甲子園にも出場している。

昨夏は最速144キロ左腕の文野結を擁して16強。強豪私学の活躍が目立つ近年でも安定して上位に勝ち進んでいる。今回は文武両道を地で行く三国丘の現状に迫った。

練習時間はおよそ1時間半、週2日のグラウンド練習で結果を残せる理由

西畑颯真主将

OBでもある辻英生監督によると、中学校の通知表では5段階評価の平均で4.7~8前後が入学のハードルとなっているという。野球部員の約8割が塾に通っており、近年は大阪大、神戸大、大阪公立大などに卒業生を送り出している。昨年のエースだった文野は島根大に追加合格し、準硬式野球部に入部した。
学業に力を入れている学校ということもあり、部活動の制約も少なくない。月曜日はオフと定められており、水曜日と金曜日は7時間目まで授業があるため、練習開始は早くても16時過ぎになる。また、定時制がある都合で18時には下校しないといけないため、練習時間が1時間半に満たないことも珍しくない。さらに他の部との兼ね合いで週2回はグラウンドを使うことができず、そうした日は空いたスペースでの素振りや体幹トレーニングなどが中心になる。

公立校の中でも環境は恵まれていない方だろう。その中でも結果を出すために辻監督は頭を使うことを選手たちに求めている。

「『考える力はあるはずやから、練習もしっかり考えよう。他所のチームが10本ノックを受けて習得するところをお前らは1本で習得する。そのためには常に自分と向き合いながら課題意識を持って練習しなさい』と言っています」(辻監督)

目的意識を持ちながら一つのプレーを大切にして上達のスピードを早める。そうして強豪校とも対等に戦えるチームを作り上げてきた。

辻英生監督

取材日は7時間授業の水曜日。生憎の雨模様だったこの日の練習メニューは以下の通りだった。

・アップ
・レインボールを使って挟殺プレーの練習
・2班に分かれて、昇降口付近で素振りと体幹トレーニング

全体の練習時間は約1時間。一旦、集合した後に各々が自主練習に取り組んでいたが、17時半にはそれも終わっていた。

他の強豪校に比べると練習量は圧倒的に足りない。それを埋めるために1年夏から公式戦で捕手として出場している西畑颯真主将(3年)は「『練習の合間を短くしよう』と常にチーム内で言っています」と効率良く練習することを心掛けている。

それが垣間見られたのが挟殺プレー練習の時。まずは守備側だけで練習を行った後、辻監督がランナーを付けて練習するためにヘルメットを持ってくるように指示した。すると、数人が一目散にヘルメットを取りに行き、すぐにランナーを付けての挟殺プレー練習を開始。無駄な時間を作らないという意識が各選手の動きから感じることができた。

固定ページ: 1 2 3

この記事の執筆者: 馬場 遼

関連記事

3 Comments

  1. 三国ファン

    2024-05-05 at 9:33 AM

    文野くん医学部現役合格ですよ

  2. 三国ファン稲垣貴仁

    2024-05-14 at 3:58 PM

    文野くん医学部現役合格ですよ

    野球部のみんな、京都大学に進んで近田監督の指導を受けたいな。

  3. 須田和城

    2024-05-14 at 4:03 PM

    南港中央球場ならポートタウン東だね

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.22

【愛知・全三河大会】昨秋東海大会出場もノーシードの豊橋中央が決勝進出、147キロ右腕・内山など投手陣に手応え!名指導者率いる三好も期待の 1、2年生が出場

2024.05.23

【野球部訪問】鳥栖工は「練習の虫」のキャプテンの元で2年連続聖地を目指す

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?