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大型契約なるか?!今オフMLB移籍を表明した選手たちの契約の行方

2019.12.03

 今オフ、4名の日本人選手がポスティング・海外FA権行使でのMLB移籍を表明した。山口俊(巨人)、秋山翔吾(西武)、菊池涼介(広島)、筒香嘉智(DeNA)と、日本代表でも活躍を見せた顔が並ぶが、偶然にも野手の移籍が重なった。近年は日本人野手がなかなか活躍できない状況が続くが、そんな現状の打破にも期待がかかる。

 今回は、過去にMLB移籍を果たした選手で、彼らに似たスタイルの選手がどれほどの契約を手にしていたのか振り返ってみたい。

キャリアハイを残した山口、ピーク真っただ中の秋山

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秋山翔吾(西武)

 まず、彼らの日本でのキャリアを見てみよう。

山口俊柳ヶ浦高卒14年目・32歳)
427試合 64勝58敗112セーブ25ホールド 1080.1回 1053奪三振 防御率3.35

秋山翔吾(八戸大卒9年目・31歳)
1207試合 1405安打 116本塁打 513打点 112盗塁 打率.301

菊池涼介(中京学院大卒8年目・29歳)
1047試合 1117安打 85本塁打 379打点 107盗塁 打率.271

筒香嘉智横浜高卒10年目・28歳)
968試合 977安打 205本塁打 613打点 5盗塁 打率.285

 改めて、各選手とも堂々たる成績を残してのMLB表明ということがわかる。

 山口は勝利数こそずば抜けているわけではないが、抑えとして112セーブを挙げるなど、先発・中継・抑えのどのポジションでも実績を残してきた。山口に似たスタイル・年齢の投手としては、2017年オフにオリックスからダイヤモンドバックスに移籍した平野佳寿が挙げられる。当時33歳だった平野は2年600万ドル(約6億4800万円)という契約になったが、山口の契約年数・価格もこのあたりが基準になってくるのではないだろうか。今季キャリアハイの成績を残したことが評価へとつながるか。

平野佳寿(京都産業大卒12年目・33歳)
549試合 48勝69敗156セーブ139ホールド 974.2回 884奪三振 防御率3.10
※2017年シーズン終了時点

 秋山と似たプレイスタイル・経歴と言えば、青木宣親が挙げられる。ともに大卒で、走攻守三拍子そろった外野手だ。当時29歳だった青木は入札額250万ドル(約1億8800万円)、2年225万ドル(約1億6900万円・3年目は球団オプション)での契約となった。打率こそ青木が優っているが、長打力は秋山がやや上回っており、ほぼ同水準の成績を残している。しかし、年齢にシビアなMLBだけに大型契約とは難しいか。

青木宣親(早稲田大卒8年目・29歳)
985試合 1284安打 84本塁打 385打点 164盗塁 打率.329
※数字は2011年シーズン終了時点

評価が低い「日本人内野手」

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筒香嘉智(横浜DeNA)

 WBCなどの世界大会でも度々その守備力を見せつけ、「ニンジャ」などと称えられる菊池。「守備力はMLBで十分通用する」という見方が強いが、それがどこまで評価されるか。年齢が近い内野手としては、過去に川崎宗則中島裕之がFAでMLB移籍を果たしたが、川崎は当初はマイナー契約だったが、中島は2年650万ドル(約5億5000万円)の契約を結んだ。日本人内野手に対する評価はなかなか上がらずにいるのが現状だが、2年500万ドルあたりがラインとなるだろうか。

川崎宗則鹿児島工高卒12年目・30歳)
1145試合 1343安打 27本塁打 369打点 267盗塁 打率.292
※数字は2011年シーズン終了時点

中島裕之伊丹北高卒12年目・30歳)
1225試合 1380安打 162本塁打 738打点 141盗塁 打率.302
※数字は2012年シーズン終了時点

 今回移籍を表明した選手の中で一番若いのが筒香だ。高卒10年目のオフにMLB移籍を表明したスラッガーと言えば、一番に名前が挙がるのが松井秀喜氏だが、成績では筒香を一回り上回る。NPB時代から打撃タイトルを総なめにしていた松井氏は、3年2100万ドル(約25億4100万円)と、まさに超大型契約を結び、その後10年間に渡ってMLBの世界で活躍を続けた。金額面でいきなり松井氏以上の契約は難しいだろうが、今回の4名の中で一番大型契約を勝ち取る見込みがあるのではないだろうか。

松井秀喜星稜高卒10年目・28歳)
1268試合 1390安打 332本塁打 889打点 46盗塁 打率.304

 あくまで過去の選手との比較なので、4名に対する評価がどうなるかは現時点では不明だが、願わくは、4名ともが納得のいく契約を勝ち取り、高いモチベーションで来季へ臨むことを祈りたい

(記事=林 龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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