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石川昂弥は東邦打線の火付け役!平成最後のセンバツ優勝へ、打ち続ける!

2019.03.31

 第91回選抜高等学校野球大会第8日の東邦vs広島広陵の一戦は東邦が12対2で広島広陵を破り、準々決勝進出を決めた。勝利の立役者となったのは石川昂弥だった。甲子園第1号となるソロ本塁打を含む2打点の活躍を見せた7打数3安打4打点の活躍を見せる石川を振り返る。

甲子園第1号はゆっくりとベースを回った

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石川昂弥(東邦)※写真=共同通信

 打って投げて走っての大暴れだった。
 まず見せたのは足だった。

 1回表、二死一塁の場面から盗塁に成功。2ストライク2ボールの場面だったが、石川自身、走れる雰囲気があったという。
「モーションなどを見て走れる雰囲気がありましたし、実際に走れると思った場面で走ったときと盗塁の失敗はほとんどありません」と語る。石川自身、特別足が速いとは思っていないが、感性の鋭さは素晴らしいものがある。

 そして3回表、甲子園初アーチ。2ストライクから追い込まれた6球目だった。
「追い込まれていたんですけど、甘く入った変化球を逃さず打ち返すことができました。打った瞬間、本塁打だと確信しました」
打球は高々と上がり、レフトスタンドへ。甲子園第1号本塁打となった。石川はゆっくりとダイヤモンドを回り、感慨にふけっていた。本塁打を打って石川自身、「ほっとした気持ちとなり、今までより楽な気持ちで打席に構えることができました」

すると7回表には左前安打、8回表にはスライダーを捉えレフトへ大きな犠飛。
「7回表はパワプロの応援歌が聞こえていて、僕はその応援歌だと打てるので、好きです。8回の犠飛は思った以上に伸びてくれて驚いた打席でした」と振り返る。

また投手ではいつもよりコントロールを意識。ポイントとしていたアウトコースへのスライダーがズバリと決まり、6回を投げて、被安打4、無失点の好投。ここまで15回を投げて、1失点と抜群の安定感を発揮。最速142キロのストレートとキレの良いスライダーをコンビネーション良く投げ分ける投球は昨秋よりも群を抜いている。

 石川が打ち始めてから16安打、石川が走り始めてから7盗塁。まさに石川は東邦の攻撃の火付け役である。

 平成最初のセンバツで優勝したのが東邦。もちろん平成最後のセンバツでも優勝したい思いがある。石川の父・尋貴さんはベンチ入りこそならなかったものの、選抜優勝のメンバーだった。親子ともに優勝したい思いは強い。今もアドバイスされることも多い。

 準々決勝の筑陽学園戦でも石川から東邦打線は火が付くのか。第1打席から見逃せない。

取材=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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