大阪桐蔭vs同志社香里
大阪桐蔭、1安打完封勝利も課題が残るゲームに
大阪桐蔭が5回戦進出。まだ本調子とは言えない出来だった。同志社香里の好左腕・岡本開（3年）の前に苦しんだ。テークバックを大きめにとってから、小気味よく腕を振っていく投球スタイル。コンスタントに常時120キロ後半を計測しているが、球速表示以上に手元を感じさせるストレートを投げ込む投手だ。大阪桐蔭打線も苦しむ様子が見られ、初回から差し込まれたような打球が相次いだ。
それでも2回裏、一死から1番藤原 恭大が敵失、2番中川 卓也の安打で一死二、三塁のチャンスを作り、3番山本ダンテ武蔵の犠飛で1点を先制。その後、二死二、三塁から敵失で2点を追加すると、さらに6番福井 章吾の右前適時打で4対0とする。さらに5回裏にも、9番柿木蓮（2年）の犠飛で5対0にしたのは、さすが大阪桐蔭と感じさせる攻撃だったが、そこから追撃はなかった。
悪い時の大阪桐蔭は、フライの打ち上げが多かったり、簡単にゴロを打って攻撃を終えてしまうこと。淡泊な攻めが多い時の大阪桐蔭は危険な兆候なのだ。一戦、勝ち進むごとに気持ちの面でも高ぶらせて、ぜひ選抜で魅せた走攻守溢れる戦いを見せてほしい。
柿木の投球は別の機会で触れるが、ここでは8回表に登板した根尾昂にも触れたい。根尾は選抜と比べると調子を上げてきており、コンスタントに140キロ台を計時。最速142キロのストレートと、120キロ後半のスライダーのコンビネーションで、同志社香里打線をパーフェクトに抑えるピッチングを見せた。もっと状態を高めていけると力で押すピッチングが期待できるだろう。ぜひ状態を上げていってほしい。
（文＝河嶋宗一）
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