試合レポート

【関西六大学】プロ野球コーチ経験のある高代監督率いる大阪経済大がV逸…。プロ注目右腕・林の力投実らず

2024.05.14


7回無失点と好投した林 翔大(大阪経済大)

<関西六大学野球春季リーグ戦:京都産業大3-2大阪経済大>◇13日◇第6節3回戦◇南港中央野球場

1勝1敗で迎えた京都産業大と大阪経済大による3回戦。優勝の可能性を残している大阪経済大だが、この試合に敗れると、大阪商業大の5季連続26回目が決まってしまう。

この重要な一戦で先発を任されたのがエースの林 翔大(4年=乙訓)。最速150キロのストレートを投げる安定感抜群の右腕で、今秋のドラフト候補にも挙がっている。

この試合までの与四球率が2.18と制球力は安定している林だが、この日は4回までに4四球。「立ち上がりからボールが荒れていたので、修正しようと思ったんですけど、4回くらいまで修正できなかった」と苦しい投球になる。1回表に二死満塁のピンチを招くなど、何度か苦しい場面はあったが、要所で踏ん張って得点は許さない。

投球時のバランスを修正した5回からの3イニングは1安打無四球と立て直す。10回128球を投げたから中1日での登板という中、7回107球を投げて、4安打4四球4奪三振の好投を見せた。

1対0と緊迫した展開で、プロ野球で長年コーチを歴任した実績を持つ大阪経済大の高代延博監督は「中1日でちょっとしんどそうだったので」と林から谷口 天誠(2年=福知山成美)への継投を決断。谷口は8回表の京都産業大の攻撃を無失点に抑えると、その裏には二死二塁から4番・北村 音湧(3年=松阪商)の右越え適時二塁打で待望の追加点を奪った。

このまま逃げ切りたいところだったが、9回表、先頭打者の打席で遊撃手の坪山 雄大(4年=関大北陽)が一塁に悪送球。「あれで流れを向こうにやってしまった」(高代監督)と暗雲が立ち込める。

その後、何とか二死一、二塁までこぎつけるも途中出場の9番・木村 元(2年)にライト後方への大飛球を打たれてしまう。右翼手の柴崎 聖人(4年=岐阜第一)が50m走5秒9の俊足を飛ばして懸命に追いかけたが、打球は惜しくもグラブを弾き、同点の2点適時三塁打となった。

さらに続く1番・河渕 巧(3年=市立和歌山)に中前適時打を打たれて勝ち越しを許した大阪経済大。裏の攻撃は三者凡退に抑えられ、優勝の可能性を断たれてしまった。

「負ける時はミスやね。負けた試合はほぼミスが絡んでいる。プロ野球でも強いチームは相手がミスして、そこに付け込んで勝っていく。それを目指しているけど、なかなかね…。これからも鍛錬して、優勝目指して頑張ります」と話した高代監督。昨秋まで3季連続2位と2007年秋以来の優勝まであと一歩の戦いが続いていたが、今季も頂点には届かなかった。

だが、まだリーグ戦は終わっていない。19日からは優勝をきめた大阪商業大との最終節を控える。「商大には去年も2回負けているので、そこは絶対に勝ちたいと思います」と林はリベンジを誓う。最大のライバルに勝利して、秋につなげることができるだろうか。

肩を落として整列に向かう林 翔大(大阪経済大)

この記事の執筆者: 馬場 遼

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