試合レポート

ヤクルトのドラ2右腕・松本健吾が公式戦初登板で無四球&2桁奪三振完封!東海大菅生時代最後のマウンド・坊っちゃんスタジアムで前人未到の一軍デビュー飾る!

2024.05.17


5月15日、坊ちゃん球場での広島戦。前夜は悔しさをチームと分かち合った「燕パワーユニフォーム」をまとうヤクルトファンは、清原 和博氏が西武ライオンズ時代の1992年に記録した24歳10ヶ月を7ヶ月更新する村上 宗隆内野手(九州学院)の史上最年少NPB200号と、2410日ぶりに当地のマウンドへ帰ってきたこのドラフト2位ルーキー右腕の大記録に沸いた。

そのルーキー右腕はこの一戦が一軍初登板初先発となった松本 健吾投手(東海大菅生-亜細亜大-トヨタ自動車)だ。NPB一軍初登板初完封はソフトバンクの大場 翔太投手(八千代松陰-東洋大)以来16年ぶり。ヤクルトとしては国鉄スワローズ時代の小山 恒三投手(小諸実-東京鉄道管理局<現:JR東日本>)以来72年ぶりとなり、二桁奪三振での無四球完封に絞ると今年90年を迎える日本プロ野球前人未到の大記録である。

そんな松本は東海大菅生時代にも「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」でエースとして全3試合に登板し夏の甲子園に続くベスト4入りを果たしている。当時もバランスよい立ち姿から140キロに迫るストレートと、スライダー・フォーク・カーブを自在に操る巧みさが印象的だったが、この日は「ランナーを出しても自分らしく投げられた」と振り返ったように最速149キロ、常時140キロ後半のストレートと140キロ近くのカットボール、スプリットに、120キロ前半のスライダー、110キロ後半のカーブを精度高く配球。4回以降は1人のランナーも許さず118球3安打無四死球10奪三振で広島打線を完封してみせた。

東海大菅生時代の松本健吾

ただ、今振り返ればそこにたどり着く要素を彼は持ち合わせていた。
亜細亜大を経てトヨタ自動車に入社1年目の2022年、筆者は再びJABA岡山大会で松本の投球を見る機会に恵まれた。そこでまず感じたのは腕と身体の縦ぶり連動に起因する回転数の増加。NTT西日本戦でのストレートは文字通りうなりをあげ、「これは社会人2年での上位指名は確実だな」。そう思ったことを覚えている。

自身は広島戦後、オープン戦でDeNAベイスターズに痛打を浴びながら、二軍で実績を積み重ねこの日につなげた要因について「フォームが広がっている部分があったので細く縦ぶりにすることを心掛けた」と語っていたが、これも立ち返る場所があったからこそ。そう考えるとこれからの背番号28にも期待は大だ。

かくして1学年下でひと足先にNPB入り、一軍出場を果たしている田中 幹也内野手(亜細亜大-中日)や戸田 懐生投手(徳島インディゴソックス)に続き、晴れて「東海大菅生出身」の名を刻んだ。さらに高校時代の同級生の川口 冬弥投手も城西国際大を経て、徳島で最速153キロの守護神としてNPB入りを狙う状況である。「縁を感じる」(松本健吾)坊っちゃんスタジアムからの東海大菅生物語は、これからも様々な人たちの手を介して続いていくことになりそうだ。

この記事の執筆者: 寺下 友徳

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