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2010年から毎年優勝校が入れ替わる混戦!今年も熾烈な争いに期待!【山形抽選会後 展望】

2016.07.07

 甲子園で3年連続初戦突破中の山形。毎年のように甲子園出場校が変わるが、今年も熾烈な争いとなりそうだ。と優勝した酒田南が夏も制するのか。それとも、復活の兆しを見せた東海大山形か。もしくは、公立の雄・山形中央か。あるいはーー。

東海大山形、日大山形、酒田南の私学3強の戦力状況は?

有方 琢眞(東海大山形)

 2010年山形中央、11年鶴岡東、12年酒田南、13年日大山形、14年山形中央、15年鶴岡東。08年、09年に酒田南が連覇して以降、山形は毎年のように優勝校が異なっている。今年はどこが抜け出すのか。

 昨秋今春と県大会で優勝している酒田南が第1シードだ。昨秋の県大会では計4試合で39得点、今春は計4試合で53得点と、3番・塚野 雄大、4番・石垣 雅海、5番・長嶺 怜を中心とした打線が強力。中でも4番・石垣はプロ注目の長距離砲だ。昨秋は投手力に不安があったが、この春、2年生の中西 啓太郎が一回り成長。味方打線が活発なため、失点覚悟の思い切った投球が奏功した。投打がかみ合い、4年ぶりの甲子園出場となるか。

 酒田南のブロックには春の県大会初戦で鶴岡東に敗れた日大山形が入った。八鍬 伶浅賀 雅人鈴木 琉生と打力のある選手が並ぶ打線は県内屈指。投手陣のできがカギを握りそうだ。日大山形が1回線で米沢商を下すと対戦することになるのが、8強の山形南。山形県選抜の正捕手を務めた渡辺 航大がマスクをかぶる組織力の高いチームで、地区予選では東海大山形にサヨナラ勝ちしている。

 この、8年ぶりに決勝に進出した東海大山形。背番号1は有方 琢眞が背負ったが、吉田 一太郎から佐藤 翔、有方と継投で勝ち上がった。下級生から試合を経験する選手が多く、攻撃力は高い。春夏9回の甲子園出場を誇る東海大山形。復活の夏となるか。

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[page_break:山形中央、鶴岡東も大会のキーになる存在]

滝 公男監督。80年から21年間、東海大山形の監督として同校を春夏8度、甲子園に導いた名将だ。今年4月に山形学院の監督となり、春の地区予選は2敗。南陽戦で初勝利を挙げ、東海大山形と対戦できるか注目だ。

 また、このブロックには山形商も入った。日大山形青森山田の2校で通算22度の甲子園出場に導いた渋谷 良弥監督は、12年から山形商を指導してきたが、この夏が最後の采配となる。

山形中央、鶴岡東も大会のキーになる存在

荒澤 郁野(山形中央)

 春の県大会3位決定戦で昨夏の代表校・鶴岡東を破り、3年ぶりに東北大会に出場した九里学園が第3シード。身長183センチのエース・登藤光は投球術に長けるタフネス左腕。走者を背負っても落ち着いたピッチングで切り抜けられる。情野 龍壱門脇 瑠太ら攻撃的な打者が多く、投打をかみあわせて勝ち進みたいところ。しかし、このブロックには好投手・鈴木 琢磨を擁する山形城北地区予選鶴岡東に勝利している羽黒関連記事山形中央も入り、なかなかの激戦区。

 山形中央はエース・荒沢 郁野ら投手陣がいかに相手打線を抑えられるかがキーになりそうだ。野手の中心は1年夏に甲子園を経験している主将の鈴木 一朗。機動力のあるチームだけに大いにチャンスを広げて得点を重ねたいところだ。

 第4シードの鶴岡東は昨夏、甲子園初勝利を挙げた。甲子園を経験した丸山 大が故障で春の県大会はベンチ外。夏に戻ることができれば、チームの攻撃力が上がるだろう。4位で柿崎 裕太武内 天真の2枚看板に守備力が高い新庄北関連記事もこのブロックに入った。

 甲子園では3年連続で初戦を突破している山形。この冬には山形県選抜を組んで台湾遠征を行うなど、県をあげて競技力向上を目指している。こうした取り組みの中、今年の山形を抜け出すチームはどこになるのか。

(文・高橋 昌江


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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