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高知高等学校 【四国地区代表】

2012.11.10

第43回明治神宮野球大会 チーム紹介 高知高等学校 【四国地区代表】

高知高等学校四国地区・高知6年ぶり3回目

チーム紹介

  • 8月末の県新人大会では投打共にかみ合わないまま準決勝で土佐に3対7と完敗し、0からのスタートを強いられた秋の高知。大勝にも奢らず、接戦にも悲観せず、一戦ずつ謙虚に戦った彼らに待っていたのは、島田達二監督すらも「全く頭になかった」6年ぶり6度目の四国王者であった。

    そんなチームを文字通り大黒柱となって牽引したのは「僕は言葉で率先して引っ張るキャラじゃないのでプレーで引っ張ることを心がけた」四国No1右打者・主将4番の和田恋である。30打数19安打・15打点で打率6割6分3厘。チームで唯一全8試合で打点をマーク(15打点)し、長打率10割を誇る成績もさることながら、彼の最大の魅力はチームが苦しい中にあっても実力を発揮できるメンタリティ。四国大会準決勝・徳島商(徳島県2位)戦では3回からの緊急登板で自己最速143キロをマーク。6回を3失点(自責点0)で逆転勝ちへの流れを作っており、鳴門(徳島県1位)との決勝戦でも自らの失策で失点した直後、高校通算31号となる同点ソロを放っている。

    とはいえ、高知打線で注意すべきは和田恋だけではない。今年の選抜大会では投手としてベンチ入りした3番の市川豪は右打席からの思い切りよいスイングで高知県大会、四国大会共に4割以上のハイアベレージをマーク。四国大会では10打数2安打と不振に終わった5番左打者の杉本大紀も県大会の打率は5割以上。その他、昨年夏、高知中で全日本軟式野球選手権制覇を成し遂げた2番・土居弘洋も四国大会で11打数6安打と、チーム打率県大会4割3分7厘、四国大会3割7分1厘、2大会合計4割1分の強打線は神宮の杜でも十分通用するレベルにある。

    市川と和田恋以外の打順・選手起用は流動的。打者の微妙な好不調を見極め、勝利につなげた島田達二監督の采配にも注目が集まる今大会。打線でも上位を任される和田誉士人が締める内野守備にはやや不安が残るが、「全国でどれだけ通用するか試す機会」と指揮官と主将の一致した発言を額面通り取ると、対戦相手は思わぬ痛手を被ることになるだろう。

投手紹介

  • 今春選抜大会では横浜(神奈川)相手に先発し7回4失点と奮闘。夏の高知大会決勝・明徳義塾戦でも延長12回を投げぬく感動的なピッチングを展開した右腕・坂本優太。だが、この秋は県大会こそ13回を投げ、防御率0.90と経験をみせつけたものの、四国大会では2回戦の丸亀(香川県3位)戦での1失点完投以後はけがもあり3試合で17回を投げ四死球11、失点11・自責点8、防御率4..24と不調をかこった。関東王者・浦和学院(埼玉)との初戦までの中5日で復調するとは到底考えずらいものの、ここはスライダー、カーブの切れ味を頼りにエースの矜持を見せてもらいたい。

    ただ、2番手以降の右腕投手も坂本と同格の実力を有している。チーム紹介でも記した和田恋は、直球の質に課題は残すが、カーブ、スライダーの他にカットボールも操る器用さが持ち味。四国大会決勝戦で優勝を決める勝ち越し2点タイムリーを放った1年生・酒井祐弥も、高知中でエースを張ったマウンド度胸で3試合11回を投げて失点1・自責点0の活躍。他にも県大会で1試合に登板した市川豪なども控えるが、この3投手が明治神宮大会のピッチングスタッフになりそうだ。

公式戦8勝0敗

    

  勝ち上がり   相手
高知県大会 1回戦 26-0 幡多農
2回戦 5-1 高知農
準々決勝 10-0 高知工
準決勝 5-1 土佐
決勝 10-4 高知商
四国大会 準々決勝 6-1 丸亀
準決勝 11-7 徳島商
決勝 8-6 鳴門

四国大会での登録選手(◎:主将)

背番号   名前 学年 身長 体重
2   坂本 優太 2 175 77
2 川上 翔太 1 178 82
3   市川 豪 2 179 80
4   和田 誉士人 2 171 65
5 和田 恋 2 178 78
6   土居 弘洋 1 175 67
7   杉本 大紀 2 175 67
8   武内 成樹 2 176 70
9   上田 隼也 1 170 67
10   酒井 祐弥 1 177 72
11   濵田 大地 2 178 67
12   前田 隆靖 2 171 63
13   坂本 憲信 2 168 60
14   百田 京平 2 167 56
15   川上 雄大 1 174 75
16   有本 翔吾 2 161 60
17   奥田 一貴 2 163 62
18   股川 涼有 2 173 66
19   冨岡 拓己 2 180 70
20   松本 歩 1 175 70
記録員 増本 隼太
監督 島田 達二
部長 中村 敏彦

決勝でのオーダー

ポジション 名前
和田 誉士人
土居 弘洋
市川 豪
和田 恋
杉本 大紀太
上田 隼也
奥田 一貴
坂本 優太
川上 翔太

■高校別データ:高知

文:寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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