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櫻井周斗(横浜DeNAベイスターズ) 清宮を封じた若き剛腕 左腕王国のリリーフエースへ

2019.09.24

 令和という新しき元号を迎えた2019年のプロ野球で、高卒2年目・1999年度生まれの選手たちが躍動している。現在、セ・リーグの本塁打・打点部門2冠を見据える村上 宗隆(東京ヤクルトスワローズ・一塁手兼三塁手)を筆頭に、外国人選手1名を含む支配下登録選手34名(セ・リーグ17名、パ・リーグ17名)中、19名(セ・リーグ10名、パ・リーグ9名)が早くも一軍の舞台を踏み、それぞれの舞台で活躍を続けている。

 そこで、今回はその中で特に将来が期待できる選手を何人か取り上げていきたい。第4回は横浜DeNAベイスターズの期待の左腕・櫻井周斗(さくらい・しゅうと)を紹介する。

 178センチ80キロと、高卒2年目ながらどっしりとした立派な体格。マウンドにたてば見事な投げっぷりで、横浜DeNAベイスターズのリリーフとして頭角を現しつつある櫻井周斗(1999年6月25日生まれ・左投左打)。今季はここまで13試合に登板し1ホールド・14.2回を投げて14奪三振・防御率5.52を記録。150キロの速球と鋭いスライダーを武器に高い奪三振率を誇っている。

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清宮を5打席連続三振に封じ込めた男

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高校時代の櫻井周斗

 小学校6年時には東京ヤクルトスワローズに選ばれるなど、早くからその才能を発揮してきた櫻井。中学時代には新座リトルシニアに入団したが、肘の故障のため野手に転向。当初の打について「まったくダメで、外野へ飛ぶのがやっと」というほどだったが、元西武の藤村雅人監督の指導を受け、懸命に振り込み、強打の外野手として活躍。名門・日大三の門を叩いた。

 日大三では1年秋から野手のレギュラーを掴むと、2年夏には投手陣の故障から本格的に投手に復帰。西東京大会で好投を見せると、直後の秋、櫻井の名を全国に知らしめる出来事が起きる。秋季都大会決勝、超高校級スライダー・清宮幸太郎(現・日本ハム)を擁する早稲田実との一戦で先発した櫻井は、その清宮を5打席連続三振に仕留めてみせたのだ。試合はサヨナラ負けを喫したものの、この一戦で一躍全国区の存在となったのだ。

 翌春選抜に出場し、迎えた春季都大会。決勝の早稲田実との再戦では、異例のナイターゲーム開催となるなど、大きな話題となった。高校最後の夏は西東京大会準々決勝で敗れるも、その後のWBSC U-18ベースボールワールドカップの日本代表に選出され、主に指名打者・外野手として活躍。その年のドラフト会議で5位指名を受けプロ入りを果たした。

 プロ入り後は1年目の春季キャンプからアピールし、オープン戦で勝利を挙げるなど順調にステップアップ。日本ハムとのオープン戦で清宮との再戦が実現し、三振を奪ったことは当時話題となった。1年目は一軍登板こそなかったが、オフにはU-23日本代表に選ばれると、チームの準優勝に貢献するなど充実の1年目となった。

 そして迎えた今シーズン、6月7日の埼玉西武戦の9回にリリーフとして初登板を果たすと、いきなり山川穂高を三振に仕留めるなど、1回を投げ無失点、2奪三振のデビューを飾った。

 その後は一軍とファームを行ったり来たりという日々が続ているが、優勝がかかった戦いが続く9月19日に再度一軍登録。チームは優勝こそ逃したが、ここから続くCS、日本シリーズと、長い戦いへ向けて戦力となるべく、登板機会をうかがう。左腕王国を形成しつつあるチームで、「左のリリーフエースと言えば櫻井」と呼ばれる日もそう遠くないのかもしれない。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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