いよいよ後半戦に突入!優勝の鍵を握るのは捕手の力量にあり!
いよいよ後半戦に突入!優勝の鍵を握るのは捕手の力量にあり!2011年03月31日
高城俊人(九州国際大付)
扇の要である捕手が不安定では、投手も野手も集中してプレーすることは不可能。選抜大会は投手優位の大会といわれているが、その背景にあるのは彼らをリードにする捕手の存在が大きいことは見逃せない。そこで、今回は勝ち上がっているチームの捕手に目を向けていきたい。
まず、九州国際大付の高城俊人。ベスト8入りした捕手の中では最もプロに近い捕手。初戦のホームラン、二回戦の勝負強い一打によって打撃がクローズアップされているが、エース三好匠の持ち味を引き出す好リードも光った。
日大三の鈴木貴弘は捕手としての技量は平均的。ただ初戦の明徳義塾戦で見られたように前歯を折りながらもプレーを続行。気持ちの強さと根性で味方を盛り立てる捕手。彼の気持ちの強さが日大三にとっては良い影響を与えている。
鈴木貴弘(日大三)
エース野田の持ち味を引き出すリードに定評あり。ここ一番での冷静な配球が光る。配慮もしっかりし、また勝負強い一打も見せる嫌らしい捕手だ。東海大相模の佐藤大貢はこれまでの2試合でも大きな活躍を残している。
エース近藤が仕上がらない中、庄司、長田といった控え投手を懸命にリードし、2試合6失点に抑えているのは評価されるべきだろう。キャプテン・正捕手・4番という重責を担いながらも献身的なプレーでチームを支えている。
また、今日敗れはしたが、北海の玉木昂太は技巧派右腕・玉熊の持ち味を引き出す冷静なリードで玉熊を安心して投げさせることができる頼もしい捕手だった。
加古川北の佐藤 宏樹はエースの井上真佐人の持ち味を引き出し、2試合連続完封を演出。狙い球を絞らせないリードセンスの高さは光るものがある。逸らすことも少なく、そして強肩を存分にアピールした。
この8人の捕手には、8通りの良さがある。また勝ち進んでいるチームの捕手たちは、これからチームのためにどう考え、どんな配球をして、指示を送っていくか注目してみたい。優勝の鍵は間違いなく彼らにかかっている。
最後に、ベスト8入り以外の捕手に目を向けていくと洞察力に長けて、仕切れる静清の加藤翔、完成度の高い大垣日大の時本亮、献身的なリードを見せる九州学院の坂井も彼らに負けないだけの技量を持った捕手だった。また夏の活躍を楽しみにしていたい。
(文=高校野球情報.com 編集部 )