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プロ注目右腕や超高校級の遊撃手・土田擁する5季連続県王者の近江など今年の滋賀県はタレント揃い

2020.07.11

≪トーナメント表はこちら≫

Aゾーン、Bゾーンともに熱戦に注目!

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土田龍空(3年・近江)と小辻鷹仁(3年・瀬田工)

 18日に滋賀の独自大会として開幕する「令和2年度夏季滋賀県高校野球大会」。49チームが出場し、トーナメント戦で県の頂点を決める。昨秋に4強入りした近江立命館守山綾羽伊香はシードされることになった。

 Aゾーンのシード校は5季連続優勝中の近江。その対戦相手は昨夏準優勝の光泉カトリックに決まり、昨夏の決勝戦の再現となった。

 近江はプロ注目の遊撃手である土田龍空(3年)が木製バットで大会に臨むことを明言している。既に練習試合で本塁打を放つなど、適応力を見せており、木製バットでも持ち前の打棒を発揮してくれそうだ。3番を打つことが予想される土田の前後の打者がどれだけ結果を残せるかが、勝負のポイントになるだろう。

 一方の光泉カトリックは継投で近江打線を交わしていきたい。打の中心選手でもある最速150キロ右腕の森本修都(3年)が登板するかにも注目だ。

 また、このゾーンにはプロ注目の147キロ右腕・小辻鷹仁(3年)を擁する瀬田工もいる。彼以外にも試合を作れる選手は数名おり、小辻にあまり負担を懸けることなく、勝ち進めれば面白い。

 だが、昨夏8強の日野に、一昨年の1年生大会で準優勝の彦根翔西館、復活を期す北大津など地力のあるチームが瀬田工の近くの山にいるため、油断のできない戦いが続きそうだ。

 Bゾーンのシード校は隼瀬一樹(3年)を擁してセンバツの21世紀枠補欠校に選ばれた伊香。プロ志望の隼瀬はこの大会で大きくアピールしたい。秋は準決勝以降で得点力不足に泣いたが、どこまで攻撃力を上げられているだろうか。

 秋は初戦で伊香に完封負けを喫した滋賀学園だが、戦力は県内トップクラスだ。投手では右横手投げから球威のある球を投げる田上友一朗(3年)、野手では強打の4番・武川廉(3年)が中心となる。他にも下級生から公式戦を経験した選手が多く、6月の練習試合では近江敦賀気比を下している。まずは伊香にリベンジして、優勝を目指したい。

 滋賀学園と初戦で対戦する彦根総合は今春から北大津で一時代を築いた宮崎裕也監督が今春に就任。今夏に本領発揮することは難しいだろうが、今後の躍進に期待したい。秋は振るわなかったが、近江兄弟社も力はあるはず。夏に巻き返すことはできるだろうか。

[page_break:連覇目指す近江に対抗馬が食らいつけるか?]

連覇目指す近江に対抗馬が食らいつけるか?

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隼瀬一樹(3年・伊香)と景山透唯(3年・立命館守山)

 Cゾーンのシード校は秋準優勝の立命館守山。4番捕手でリリーフ投手も務める景山透唯(3年)が大黒柱となる。信次陽和(2年)ら他の投手陣がしっかり試合を作り、いい形で景山にスイッチしたい。

八幡商は滋賀選抜に選ばれた竹島楓斗(3年)ら1年秋から公式戦を経験している選手が多く、上位進出が期待できる。伝統校の彦根東や長身左腕の竹嶋大星(3年)を擁する水口東にも注目だ。

 ゾーンは近年、シード校の綾羽が一歩リードしている。エースの早津康生(3年)は制球力の高い好投手。二塁手の日比達也(3年)ら守備力の高い選手も多く、失点を計算できるのが強みだ。打線はフルスイングが持ち味の近藤大暉(3年)が軸。彼が好機で一打を放てば、一気に勢いはつくだろう。

 比叡山は一昨年春の優勝以降、苦しい戦いが続いているが、今大会で再浮上のきっかけを作ることができるだろうか。水口、伊吹、膳所といった公立校の健闘も楽しみだ。

 大会全体の見どころとしては近江の連覇を止めるところが出てくるかということになるだろう。序盤から気の抜けない戦いが続くが、王者の力を見せつけられるか。対抗馬の筆頭は戦力の充実している滋賀学園。好投手を擁する伊香瀬田工光泉カトリックにもチャンスがある。近畿大会を経験した立命館守山と綾羽の戦いぶりも虎視眈々と頂点を伺う。

 今年は有望な選手が多く、ドラフト路線的にも面白い世代だ。控え部員と保護者以外は現地観戦することができないが、バーチャル高校野球で全試合の中継が予定されている。リモート観戦を通じて、滋賀のレベルの高さを感じてほしい。

(記事=馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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