第114回 諦めない限り、夢は続く 沖縄の名将たちが球児へあらゆる形でメッセージを送り続ける2020年05月28日

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【目次】
[1]全体的に客観的に見ると、日本高等学校野球連盟が下した判断は正しい
[2]ああ栄冠は君に輝くリレー秘話

 全国高等学校野球選手権大会中止の報せを、監督さんたちはどのように受け止めているのだろうか。沖縄県立美里工業高等学校野球部監督の神谷嘉宗氏に話を伺ってきた。

全体的に客観的に見ると、日本高等学校野球連盟が下した判断は正しい



神谷嘉宗監督

 「言葉に表せない心模様というか、ショックは大きかったね」5月20日、日本高等学校野球連盟が下した全国高等学校野球選手権大会中止の報せ。2008年夏の甲子園で浦添商を率いてベスト4入りした神谷嘉宗監督(現美里工)は、心の内を明かした。しかしくよくよしていても始まらない。生徒たちには、次のような言葉で伝えた。

 「甲子園に繋がる大会は中止に決まったけど、県独自の大会は必ずあります。三年生が完全燃焼出来る舞台はもうすぐです。今まで通り、目標を見失わず頑張りましょう。諦めない限り、夢は続く。と伝えました」

 生徒たちにとっては、野球を始めた小さい頃から憧れてきた甲子園。その目標とゴールが一瞬で奪い去られた。指導者のショックも大きいけど、生徒たちにとってのそれは比べようも無かったかも知れない。

 「インターハイの種目は、たくさんある。それらに比べて野球は3密から大分離れたスポーツ。野球だけが特別なのかという声もあるが。野球が出来なければ、他の種目は何も出来ない。それは強く思うね。」

 多くの高校野球ファンなら、もう少し甲子園開催の、是非の結論を先延ばししてくれたらと思うものだが、神谷監督は視野を広げて考えていた。

 「日本高野連としては全国のことを考えて発信している。神奈川県はまた独自の県大会も厳しいと発表があった」

 神奈川は7月まで部活が出来ない状態。球場の確保も難しい状況。さらに福岡県は代替大会の開催を断念したことを考えると、日本高野連が下した判断は間違っていなかったと神谷監督は語る。

 独自の大会さえ出来ない可能性が他にはあると思えば、甲子園という目標は無くなったけれども、7月4日開幕へ向けて動き出している沖縄県の球児たちは幸せなのだ。

 「これは僕らの生徒の声です」。見せてもらったのは、美里工野球部大城稜真くんの言葉だ。

 「沖縄県大会も決まったので、また気持ちを入れ替えてみんなで切磋琢磨しながら、やっていきます」

 完全燃焼する夏がやってくる。

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プロフィール

當山 雅通
當山 雅通
  • 生年月日:1972/01/04
  • 出身地:沖縄県金武町生まれ。現在は沖縄市在住。
  • ■ 野球はもちろんだが、一番好きなのは球児たち。純粋で真っ直ぐな野球小僧を見ると自分のことのように嬉しくなる。
  • ■ 学生時代は、野球、サッカー、バドミントン、駅伝など多くのスポーツを経験。現在は、合計4チームの学童軟式野球チーム(主に4年生以下の低学年専属)を見てきており、やっぱり自分は野球が好きなんだなと実感。現在はオファーがなくコーチ業も休業中(笑)。だが10月に3歳になる三男坊が野球を始めたら、また復活する野望を隠し持っている(笑)夢は三男坊が甲子園へ連れて行ってくれることだが、まずは野球へ興味を持つようにしむけるようにと、現在悪戦苦闘中である(笑)
  • ■ 2012年より、高校野球ドットコムにて沖縄中心に情報配信
  • ■ 沖縄県の野球と題したブログCBスタジアムを運営
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